エルサム・パレス
アール・デコのインテリアが素晴らしい Eltham Palace(エルサム・パレス)は、ロンドン郊外のグリニッチにあります。この宮殿は、14世紀にダラム司教が、時の王であったエドワード2世に譲渡したことに始まり、その後、16世紀まで王宮として使用されていました。
特筆すべきは、幼少期のヘンリー8世もこの宮殿を訪れていたということです。後に親しい友人となった神学者のエラスムスと始めて出会ったのも、この宮殿のグレート・ホールであったといいます。

グリニッチには、現在は旧王立海軍大学となっている場所にも、グリニッチ・パレスという別の宮殿がありました。王族たちは、そちらを好むようになり、エルサム・パレスは、狩猟のためのハンティング・ロッジとして使用されるようになりました。

しかし、17世紀に勃発した清教徒革命により、グレート・ホール以外は全壊、その後、付近一帯は、農場に様変わりしました。荒れ果てたこの宮殿が蘇ったのは、1930年代にスティーブン・コートールド氏とその妻であるヴァージニアがこのパレスを買い受けてからのことでした。

コートールド家は、産業革命期の18世紀に繊維業を起こし、20世紀には、世界のレーヨン製造の40%を占めるまでに成長したイギリスの一大財閥です。現在でもイギリス最大のシェアを誇る現役の下着メーカーとして存在しています。
一家の4男であったスティーブンは、荒れ果てた宮殿を一から改装し、そのインテリアを、当時の流行であったアール・デコで統一しました。

宮殿内は撮影禁止で、室内の様子を掲載できないのが大変残念ですが、線や幾何学模様が特徴的なアール・デコを取り入れた家具を中心に据えたインテリアが斬新です。当時としては珍しかった公衆電話や家庭電化製品も室内装飾の一部として上手に溶け込んでいます。
木目を活かしたインテリアに一部だけビビットなカラーのファブリックを取り入れたり、色やパターンはシンプルでも、フォルムが美しい家具を配置するなど、随所にコートールド夫妻のこだわりと美意識の高さが感じられます。

第二次世界大戦が勃発し、戦渦に巻き込まれたコートールド夫妻は、宮殿からの退去を余儀なくされました。その後、イングリッシュ・ヘリテージによって一般公開が開始されたのは1999年のことでした。
1930年代は、大昔ではありません。その時代の美意識は現代にも通じるものがあり、パレスのインテリアは、自分の家を飾る際にも参考になる部分がたくさんあります。イギリスをはじめ、ヨーロッパ各地を旅行すると、宮殿やマナー・ハウスのきらびやかで豪華絢爛な装飾に食傷気味なりがちですが、ここエルサム・パレスでは、シンプルこそが美しいと感じられるインテリアにきっと、出会えるはずです。
特筆すべきは、幼少期のヘンリー8世もこの宮殿を訪れていたということです。後に親しい友人となった神学者のエラスムスと始めて出会ったのも、この宮殿のグレート・ホールであったといいます。

グリニッチには、現在は旧王立海軍大学となっている場所にも、グリニッチ・パレスという別の宮殿がありました。王族たちは、そちらを好むようになり、エルサム・パレスは、狩猟のためのハンティング・ロッジとして使用されるようになりました。

しかし、17世紀に勃発した清教徒革命により、グレート・ホール以外は全壊、その後、付近一帯は、農場に様変わりしました。荒れ果てたこの宮殿が蘇ったのは、1930年代にスティーブン・コートールド氏とその妻であるヴァージニアがこのパレスを買い受けてからのことでした。

コートールド家は、産業革命期の18世紀に繊維業を起こし、20世紀には、世界のレーヨン製造の40%を占めるまでに成長したイギリスの一大財閥です。現在でもイギリス最大のシェアを誇る現役の下着メーカーとして存在しています。
一家の4男であったスティーブンは、荒れ果てた宮殿を一から改装し、そのインテリアを、当時の流行であったアール・デコで統一しました。

宮殿内は撮影禁止で、室内の様子を掲載できないのが大変残念ですが、線や幾何学模様が特徴的なアール・デコを取り入れた家具を中心に据えたインテリアが斬新です。当時としては珍しかった公衆電話や家庭電化製品も室内装飾の一部として上手に溶け込んでいます。
木目を活かしたインテリアに一部だけビビットなカラーのファブリックを取り入れたり、色やパターンはシンプルでも、フォルムが美しい家具を配置するなど、随所にコートールド夫妻のこだわりと美意識の高さが感じられます。

第二次世界大戦が勃発し、戦渦に巻き込まれたコートールド夫妻は、宮殿からの退去を余儀なくされました。その後、イングリッシュ・ヘリテージによって一般公開が開始されたのは1999年のことでした。
1930年代は、大昔ではありません。その時代の美意識は現代にも通じるものがあり、パレスのインテリアは、自分の家を飾る際にも参考になる部分がたくさんあります。イギリスをはじめ、ヨーロッパ各地を旅行すると、宮殿やマナー・ハウスのきらびやかで豪華絢爛な装飾に食傷気味なりがちですが、ここエルサム・パレスでは、シンプルこそが美しいと感じられるインテリアにきっと、出会えるはずです。
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