2017-09

シェーンブルン宮殿

 ウィーンといえば、音楽の都、モーツァルト、ザッハトルテ、ハプスブルク家などと連想は尽きませんが、そのハプスブルク家の歴代君主の離宮として使用されていたのが、シェーンブルン宮殿です。年間150万人もの観光客が訪れるというこの宮殿、マリア・テレジアの時代に塗り替えられたという明るい黄色が美しく、印象的です。

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シェーンブルン宮殿 外観

 宮殿内を見学するためには、長い長い列に並んでチケットを手に入れなければなりません。私たちがここを訪れたのは8月。晴天で、庭園を散策するにはもってこいの一日でした。言うまでもないことですが、めまいがするほどの行列に並んでチケットを手に入れなければなりませんでした。炎天下の中、事前にチケットを予約しておかなかった自分を呪いました。
 見学できる場所によって、数種類のチケットがありました。私たちはクラシックパスという、宮殿、皇太子の庭園、グロリエッテ、迷路庭園の四箇所を見学できるチケットを購入しました。宮殿内を見学するときは、日本語のオーディオガイドを借りることができました。

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皇太子の庭園 緑のトンネル

 恥ずかしながら私はオーストリアの歴史、すなわちハプスブルク家については詳しくありませんでしたが、ガイドを聞きながらフランツ・ヨーゼフ1世の人生に思いを馳せずにはいられませんでした。
 フランツ・ヨーゼフ1世は、68年(1848年–1916年)にわたる長きにわたってオーストリア帝王として君臨しました。とても勤勉で、死の直前まで睡眠時間を削って国務に従事していたそうです。その姿を垣間見ていたのでしょうか、国民は彼を国父と称し、支持していたそうです。

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美しく手入れされた庭園

 しかしながら、彼の家庭生活は幸せなものとはいえませんでした。母親のゾフィー大公妃と絶大な美貌を誇ったといわれる妻のエリーザベトとの折り合いは悪く、彼女は姑を嫌ってウィーンを留守にすることが多かったといいます。また、一人息子のルドルフは、愛人と謎の変死を遂げました。そのため、皇位継承権は甥のフランツ・フェルディナント大公に与えられましたが、1914年に彼とその妻は暗殺されました。このサラエボ事件は、第一次世界大戦の引き金となり、やがてハプスブルク家を崩壊へと導きました。

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ネプチューンの泉

 フランツ・ヨーゼフ1世は惜しまれながら86歳でこの世を去りました。その後は、フランツ・フェルディナント大公の甥に当たるカール1世が29歳で皇帝に即位しました。しかしながら皇位してわずか2年後の1918年には、ここシェーンブルン宮殿内の「青磁の間」において退位を表明しました。
 「戦争は他家に任せておけ。幸いなオーストリアよ、汝は結婚せよ」と謳ったハプスブルク家は、皮肉にも戦争に破れたことによって、その700年余りに及んだ歴史に終止符をうちました。

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グロリエッテ

 勤勉で国民から愛されたフランツ・ヨーゼフ1世、亡くなるまで懸命に守り続けたハプスブルク家が死後わずか2年で崩壊してしまうことを予想していたでしょうか。自分の幸せを省みることなく、一生を国民に捧げた彼の人生。美しく華やかな宮殿は、彼のようなひたむきな努力の人によって支えられていたのです。
 史実や歴史上の人物に焦点を当てて歴史的建造物や博物館を見学すると、今までとは違った視点で物事が見えてくることがあります。オーストリアでは、彼なしでは歴史を語ることができないほど重要人物であるフランツ・ヨーゼフ1世ですが、日本ではあまり知られていないことが残念です。何も知らずに宮殿を訪れましたが、実直で勤勉な努力の人、フランツ・ヨーゼフ1世の人柄に触れたような気がしました。

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