2017-06

ウィーン教会めぐり

 気づけばまたカトリックの国を訪れていました。ドイツ語が公用語であるオーストリアでは、ドイツのようにプロテスタントの国であるというイメージを抱きがちですが、カトリック教徒が6割を占めます。しかしながら、4割近い人々がプロテスタントを信仰しているという事実には驚かされました。ヨーロッパでカトリックとプロテスタントが同じくらいの割合で信仰されている国が存在しているとは。

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シュテファン大聖堂 外観

 リンクとよばれるウィーン歴史地区にあるシュテファン大聖堂は、荘厳なゴシック建築です。ウィーンのシンボルともいえるこの大聖堂は、ハプスブルク家の墓所であるほか、モーツァルトの結婚式と葬儀が執り行われた場所としても知られています。

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シュテファン大聖堂 内陣

 外観の荘厳さとは裏腹に、内部は拍子抜けするくらい没個性的です。内陣に入るには入場料が必要ですが、その周囲は自由に見学することができるので、私は外側から内陣の写真を撮るだけにしました。その都市を代表する大聖堂は、どれも大掛かりにきらびやかですが、どこも同じように見える嫌いがあります。

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ルプレヒト教会 外観

 大聖堂よりも、私は小ぢんまりとした教会を好みます。ウィーン最古の教会であるルプレヒト教会は、閑静なユダヤ人街にひっそりと建っています。私が訪れたのは午後3時くらいで周囲のレストランやバーは扉を閉ざしており、とても静かでした。ただ、ユダヤ人街という場所柄か、警官が二人警備にあたっていました。警官は、静かで穏やかな昼下がりには似つかわしくない光景でしたが、直近の情勢(ガザ紛争)を考えると無理もありません。

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聖ルプレヒト ザルツブルクの守護聖人でもある。

 教会内部は、近代的なステンドグラスに覆われたシンプルな内装でしたが、私は素朴で無骨な外観のほうを好みます。
 この教会の名前の由来になった聖ルプレヒトは、塩を運ぶ船の守護聖人でした。彼が左手に抱えているカゴには、貴重な収入源であった塩が入っているそうです。教会の裏手、緑に囲まれた一角に佇む聖ルプレヒト像がとても印象的で、何時間でも眺めていたい気分でした。

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マリア・アム・ゲシュターデ教会 外観

 ルプレヒト教会についでウィーンで二番目に古い教会は、マリア・アム・ゲシュターデ教会です。教会の名前は岸辺のマリアという意味だそうで、建てられた当時はすぐ下にドナウ川の支流が流れていたそうです。

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マリア・アム・ゲシュターデ教会 内陣

 教会の内部は明るく、白壁が清潔な印象を与えていました。川岸の狭い土地に建てられたために内陣は、くの字に曲がっているとのことでしたが、私にはそれを感じることができませんでした。

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ペーター教会 内陣

 最後に紹介するのは、にぎやかなグラーベンにあるペーター教会です。ぼってりとした緑色のドームとクリーム色の壁が周辺の景観に溶け込んでいます。あまりにも周囲の景色と一体化していることと、外壁の修復工事をしていたために、一瞬、中に入るのをためらってしまいましたが、内部は観光客でごったごえす外の喧騒を切り離し、静かで荘厳な雰囲気をたたえていました。

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ペーター教会 ロットマイヤー作:「聖母マリアの被昇天」

 この教会の一番の見所は、丸天井に描かれた「聖母マリアの被昇天」です。地味な外観とは裏腹に、内部はきらびやかで美しい装飾が施されていました。
 しかしながら、ウィーンの教会にもの足りなさを感じてしまったのは、熱心な信徒に支えられているポルトの教会を訪れた後だったからにほかありません。ウィーンで私が訪れたのは、観光地にある教会だけなので、一概にウィーン市民が信仰とは無縁の生活を送っているとは言い切れませんが、今でも、ポルトの教会で出会った熱心に祈る老婦人の姿が忘れられません。教会は、神を思い、あらん限りの美を捧げるために建てられた場所ではありますが、そこに集う人間の姿があってこそ、命が通う本物の美しさが見えてくるのかもしれません。

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