2017-06

Bond,James Bond

 遅ればせながら映画「Skyfall(007 スカイフォール)」を観ました。007シリーズを全て観ているわけでもなく、特にボンドファンというわけでもない私が言うべきことではないのは重々承知しております。しかしながら、ダニエル・クレイグ演じるところの007は他のシリーズとは明らかに一線を画していました。
 前半の格闘シーン、中盤のボンドガールとの絡み、クライマックスの銃撃戦。アクションシーンは、思わずシュワルツネッガーやブルース・ウィリスの姿を探してしまうほどの本格的なものでしたが、おねえさんが出てくるシーンは、お約束程度の淡泊なものでした。
 007シリーズは、優秀だけれども女ったらしのMI6諜報員ジェイムズ・ボンドが国家の危機を救うという勧善懲悪映画であると私は解釈しています。既存の007には、水戸黄門や遠山の金さんに求めているのと同種の安心感がありました。黄門様の印籠、金さんの桜吹雪、仕事では優秀で女にはモテモテのボンド。
 美形でどんな困難にも上品にさらりと立ち向かうボンド。それでいて、憎めない愛嬌のあるキャラクターを形成していたのは、やはりあの黒髪のせいであったのでしょうか。ショーン・コネリー、ピアース・ブロスナンは最もハマリ役であったと私は思います。彼らが演じるボンドには、穏やかな余裕が漂っていました。
 ダニエル・クレイグが代6代目のジェイムズ・ボンド役に抜擢された時、彼が金髪碧眼であることから、彼のボンド役を疑問視する声が高まりました。しかしながら、彼がボンドを演じた最初の映画、「Casino Royale(007 カジノ・ロワイヤル)」は、「ショーン・コネリー以来の最高のボンドだ」と大絶賛され、興行収入も最高を記録しました。
 この作品は、同シリーズ内でも最もハードなアクション映画に仕上がっていると言えます。クイレイグ以前の007シリーズは、手に汗握ることなく安心して観ていられる娯楽アクション映画の感が拭えませんでした。しかし、それが007の所以でもありました。既存のボンドを欲していた人々にとっては、グレイグの演じるボンドには異質なものを感じずにはいられなかったでしょう。それと同時に、彼のクールでハードなボンドもありなのではないかという認識も新たにしたのではないでしょうか。
 あたりの空気を切り刻むかのように冷たい男、ジェームズ・ボンド。生まれ変わった007の幕開けを歓迎する気運と、既存のボンドを懐かしむ気持ちは、改革と伝統の狭間でゆれる動くイギリス社会の現在を象徴しているのかもしれません。

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