2017-06

ハンプトンコート宮殿

 現在 Hampton Court Palace(ハンプトンコート宮殿)がある土地は、もともと聖ヨハネ騎士団の荘園でした。1505年、ヘンリー7世の時代に彼の侍従がその土地の借地権を譲り受けました。1514年には、ヘンリー8世の腹心であったウルジー卿がその権利を引き継ぎ、彼自身のために新たな屋敷の建設を開始しました。いくつかの部屋は、王であったヘンリー8世に捧げられました。しかし、後に王によって失脚させられたウルジー卿は、彼が心血を注いで発展させた宮殿を王に譲り渡すことを余儀なくされました。

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ハンプトンコート宮殿外観

 ヘンリー8世の時代に最も栄えたハンプトンコート宮殿は、歴代の王族の住居として使用されました。ウィリアム3世とメアリー2世の共同統治の時代を経て、1760年にジョージ3世が即位して以降は君主の邸宅とし使われることはありませんでした。
 その後、ハンプトンコート宮殿では大規模な改装工事が行われ、1838年には、ヴィクトリア女王によって一般公開されるようになりました。

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グレイト・ホールのステンドグラス

 宮殿内部の展示は各時代ごとに分かれています。残忍で横暴であったといわれ、生涯で6人の妻を娶ったヘンリー8世とその時代に関する展示には最も力が入れられています。
 宮廷人たちの食堂として使用されていたグレート・ホールのステンドグラスには、6人の后の紋章の中心に立つヘンリー8世の姿が描かれています。意外なことに、最初の后であったキャサリンとの結婚生活は20年間も続いていました。世継ぎに恵まれなかったことが離婚の原因とされていますが、2人の間に男の子が生まれていればイギリスの歴史は、現在とは全く違ったものになっていたことでしょう。
 宮殿内にはヘンリー8世関連グッズを主に扱う売店があります。ヘンリー8世の中から次々に歴代の后が現れる マトリョーシカや、彼らのオーナメントなどが売られていました。オーナメントは、7人ならべてクリスマスツリーに飾るのでしょうか。悪趣味ですね。

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ウィリアム3世の書斎

 ウィリアム3世とメアリー2世の共同統治の時代の宮殿は、ロンドン大火から街を復興させたことで知られる建築家、サー・クリストファー・レンによるバロック様式が取り入れられました。
 この時代には、フランスの習慣を模倣し、王の食卓や寝室が一般公開されていました。当時の人々にとっては、王様の食事や寝姿を垣間見ることは最高の娯楽でした。しかしながら、ウィリアム3世は人嫌いで、めったに一般大衆の前に姿を現すことはなかったそうです。そのためか、彼に対する民衆の支持率はとても低かったそうです。

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ジョージ2世のアパートメント

 ジョージ2世の父であったジョージ1世は、イングランド王の血を引いていますがドイツ人でした。ジョージ1世はウィリアム3世、亡き後に王位を継承しました。ウィリアム3世には実子おらず、妻の妹アンの異母弟、ジェームズが王位継承権を持っていましたが、彼がカトリックであったために、ドイツから英語を話さなかったジョージ1世がイングランドの王として招かれました。
 政略結婚が当たり前で、国益のために子女を外国に嫁がせることは、ヨーロッパの歴史の中では珍しいことではありませんでした。そのような背景が王位継承問題を複雑にしました。若かりし頃は、試験勉強のために王様の名前を覚えたものですが、今では王位継承図を見ているだけで頭痛がしてきます。

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テューダーの楽師たち

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いつでも行けると思って結局ロンドン塔とハンプトンコートパレスは行かずじまいで帰国の途についてしまいました。今少し後悔しています…。

中はやはり豪華ですねえ。床は石畳でごつごつしているのかと思いきや板張りとは少し意外でした。ヘンリー8世と6人の妻たちのマトリョーシカは少し欲しい気がいたします。悪趣味ですが(笑)。

ihatov1001様

 こんにちは。私もハンプトンコートはロンドン滞在11年目にしてやっと行くことができました。ここはロンドン市内からちょっと離れていて行きづらいのですよね。そして入場料も高い(苦笑)。高いだけあって日本語のオーディオガイドも入場料に含まれていたり、サービスは至れり尽くせりでした。展示も1日では見るには広すぎるほど充実していました。おまけにスタッフの対応がイギリスとは思えないほど丁寧でびっくりしてしまいました。
 私もヘンリー8世のマトリョーシカが欲しかったのです。でも45ポンドの値札を見て断念しました(笑)。
 


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