2017-09

グラッドストーン・ポタリー博物館

 Gladstone Pottery Museum(グラッドストーン・ポタリー・ミュージアム)は、Stoke-on-Trent(ストーク・オン・トレント)にあるヴィクトリア朝の陶磁器工場を再現した博物館です。
 当時使用されていた Bottle Oven(ボトル・オーブン)とよばれる窯の中を見学したり、製品が完成するまでの作業工程を順を追って見学することができます。また、職人さんたちによる現代の製造工程のデモンストレーションも行われています。

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博物館外観
 ビクトリア朝と陶磁器という私の好きな事柄が二つ重なっている博物館があるというので、私は訪れる前から興奮気味でした。工場を構成する主な展示品のほかに、ヴィクトリア朝の庶民の香りが漂う調度品が随所にちりばめられており、期待以上に楽しい博物館でした。

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Bottle Oven(ボトル・オーブン)内部の様子
 職人さんが頭に載せて運んでいるのは Saggar(サガー)とよばれる入れ物です。釜に火を入れると中はあつい煙で覆われるため、陶磁器はサガーに入れた状態で焼かれました。焼き上がった陶磁器は一度、釜から出され、上薬を塗ってもう一度、窯に戻されました。サガーは40回ほどの使用で寿命がくるそうで、サガーを専門に作る職人さんもいました。
 頭に載せて窯にバランスよくサガーを積上げる仕事、熱い窯からサガーを運び出す作業など、工場労働者はきつい肉体労働を強いられていました。

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Coal と Saggar
 当時は石炭で窯の火を入れていました。そのため、煙による公害で工場労働者のみならず市民も肺病に罹患する確率が非常に高かったそうです。ここ、ストーク・オン・トレントでの男性の平均寿命は46歳くらいでした。

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作業場の風景
 工場内では、陶工の他、サガー職人、窯の火を守る係、絵付けなど、様々な仕事が分業で行われていました。熟練した陶工は工場に雇われていましたが、彼らは自分の給料からアシスタントを雇っていました。
 アシスタントは男の子が主で、彼らの最初の仕事は Mould Runners(モルド・ランナー)という焼き物に使う型を運ぶ作業でした。一日中、広い工場内を駆け回るきつい仕事だったといいます。

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絵付けのための染料
 絵付けの仕事は女性が担当していました。少女の頃から働き始めるのが一般的でした。

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化学薬品は鍵のかけられた部屋で管理されていた。
 男性の工場労働者は過酷な肉体労働を強いられ、怪我をしたり肺病を患う人が多かったといいますが、絵付けを担当していた女性は、化学薬品による中毒症状で命を落とすことも少なくありませんでした。

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工場の一角
 この博物館があまりにも興味深くおもしろかったため、またたくまに時間が過ぎてしまいました。おかげで、予定していたファクトリーショップには1軒しか行くことができませんでした。しかしながら、ここグラッドストーン・ポタリー博物館は、機会があれば是非もう一度、訪れたい場所です。大好きな博物館がまた一つ増えました。

読んでくださいましてありがとうございました。
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面白そうですね。ここにいるとあっという間に時が過ぎてゆきそうですね。私の地元も陶器が有名で、焼き窯の見学ツアーや焼き物市などが結構楽しい所です。そちらの物と違い結構渋めで、おじいちゃんおばあちゃんが良く集って、湯飲み茶わんなどを購入していますが(笑)。

ihatov1001様

こんにちは。
この博物館は、本当に面白くてまたたく間に時間が過ぎてゆきました。また行きたいです。
ihatovさんの地元も陶器で有名なのですね。なんとも羨ましい話ではないですか。私は日本のものは渋めのものが好みなのでこちらにも是非、行ってみたいです。おじいちゃんおばあちゃんと話に花が咲きそうです(笑)。


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