2017-10

リメンバランス・デー

 11月11日は Remembrance Day(リメンバランス・デー)です。1918年の11月11日午前11時に第一次世界大戦が終結しました。以来この日は、第一次大戦だけでなく全ての戦争で亡くなった兵士や市民の死を悼む日となりました。
 イギリスでは11月11日、午前11時に二分間の黙祷が捧げられます。公式行事は11月の第二日曜日、Remembrance Sunday(リメンバランス・サンデー)に、皇族や政府、軍の関係者が出席して、ホワイトホールにある Cenotaph(セネタフ:世界大戦戦没者記念碑)前で行われる他、各地域の戦争記念碑のある場所でも執り行われます。

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地元にある戦争記念碑 
 この地域から第一次、第二次大戦に出征して戦死を遂げた兵士たちの名前がこの記念碑に刻まれています。ケシの花を模した十字架がかけられています。

 Cenotaph 他、戦争記念碑にはケシの花を模した花輪が手向けられます。1914年8月、フランスに侵入することを目的としたドイツ軍がベルギーに侵攻したため、イギリス軍は直ちに援軍を送りました。フランス北部とベルギーのフランドル地方は戦場となり、そのなかでも激戦地となったのは中世から繊維産業の街として知られるベルギーのイーペルでした。道路や建物、その他、ありとあらゆるものが破壊されました。この戦いは西部戦線とよばれています。
 しかしながら、翌年の春には戦場となった野原、一面を覆うように真っ赤なケシの花が咲き始めました。ケシの種は長い間、発芽することなく地中に埋もれいます。その地表が耕されたとき、ケシは真っ赤な花をつけます。兵士たちがその地で戦い、その命を散らしていったためにケシの花は咲き始めました。まるで兵士たちの流した真っ赤な血潮のようだったに違いありません。現在、イーペルには In Flanders Fields Museum(フランダース戦場博物館)が建てられ、戦争で亡くなった兵士たちの記録を残しています。

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兵士たちの死を悼むケシの花輪が手向けられています。

 1915年5月3日、前日に戦友を亡くして深い悲しみにくれていたカナダ人の軍医ジョン・マクレーは、フラダースの野に赴き、咲き乱れるケシの花を見て「In Flanders Fields」(「フランダースの野に」)という詩を描きました。その年の12月には、その詩がイギリスの雑誌「パンチ」に掲載され、以来、ケシの花は戦死者を悼むシンボルとなりました。
 1918年には、「In Flanders Fields」に感銘を受けたアメリカ人の Moina Michael がその詩を受けて「We Shall Keep the Faith」という詩を書きました。その詩の中には、戦死者に敬意を表わし「彼らのことを忘れないためにケシの花を身につけよう。」という一節があります。それ以来、リメンバランス・デーが近くなると人々は、胸に赤いケシの花を模したブローチを身につけるようになりました。

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人々はリメンバランス・デーが近づくとポピー(ケシ)のブローチを胸につけます。
 このポピーのブローチは、赤い羽根共同募金のように募金をするともらえます。私は募金箱を持って街角に立つ退役軍人さんの所に行きました。リメンバランス・デーは Poppy Day(ポピー・デー)または、Armistice Day(アーミスティス・デー)とも呼ばれています。


 1983年から89年まで BBC テレビで放映されていたコメディー番組、Blackadder(ブラックアダー)の第4シリーズの最終回の一部です。ミスター・ビーンでお馴染みのローワン・アトキンソンが陸軍大尉を演じています。このシリーズは第一次大戦の西部戦線の塹壕が舞台です。最後の場面で兵士たちが消えた後の野に、ケシの花が咲き乱れます。

参考文献:WikipediaProject Britain

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こんにちは
赤い花のブローチは最近特によく見かけますね。
私は募金をしたのですが
それでもらった赤い花のブローチを身につけることに抵抗を感じます。
日本人である私がつけていいものかどうか、という迷いです。
戦争・歴史に対する考え方は人それぞれであり、
日本人がこの花をつけることに不快な気持ちを持つ人もいるのではないかと思うのです。
考えすぎでしょうか。

最後のコメディ、笑い声も入っているけど
最後は悲しい終わり方だったのかしら?
英語が良くわからないけど、なんだか最後だけコメディっぽくなくて。
みんな死んでしまったのでしょうか。

Hiro様

こんにちは。
実は私も募金をしてもらったポピーを胸につけることはしていません。写真は私の相棒のものです。つけない理由はHiroさんと全く同じです。募金をしたときに、私はポピーはいらないと言いましたが、気のよさそうな元兵隊さんのおじいちゃんは「せっかくだから」と言ってポピーをくれました。相棒も戦死者を悼む気持ちがあればブローチを胸に飾る資格があると言ってくれますが、それでも少し抵抗があります。

数年前にテレビでこのコメディー制作のエピソードが放映されました。しんみりさせるつもりはなかったそうですが、ポピーが咲き乱れるアイディアを採用すると、感動的な最終回になってしまったということでした。このように終わるということは、兵隊さんたちは戦死したということになるのでしょうか。私はそのように感じているのですが、確かなことはわかりません。

こんばんは

BBCのニュースをみてると胸に赤カブみたいなの、つけてる人がいるけど何だろう?て思ってましたけど、ポピーだったんですね。
大地が血で染まるなんていうのは文章表現としてはわかったつもりでしたけど、実感として感じたのははじめてです。
ポピーのイメージがかわりました。

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カテンベ 様

こんにちは。コメントをありがとうございます。
 私がいつも思うことは、イギリスの戦争に関する考え方が敗戦国の日本とは違うということです。リメンバランス・デーは戦死者を悼む日ではありますが、戦争自体を過ちであったとは捕らていないような気がします。軍人さんは尊敬されるべき職業であり、戦争自体は肯定的なものとみなされているような気がしてなりません。私はどんな戦争にも反対なのですが。
 リンクの件はありがとうございます。拙ブログを紹介いただけるなんて嬉しいです。

こんにちは。相互リンクよろしくお願いします。イギリスにもトルコ人がいるのですね。日本人と同じで結構どこにでもいますね。よろしくお願いします。

miki様

 こんにちは。相互リンクの件、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。
 イギリスにはどの国の人もたくさんいるのですが、トルコにも結構、多くの日本人の方が住んでらっしゃるのですね。ロンドンには、日本人が多いと思いますよ。


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