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2018-11

今も昔も

 日本人の私にとって花火は夏の風物詩です。浴衣を着て花火大会に出かけるのが夏の夜の楽しみでした。花火大会に出かけないまでも、庭先で燈す線香花火も夏を風流に彩っていました。しかしながら、イギリスで盛んに花火が打ち上げられるのは10月末から11月にかけてです。
 私はイギリス人に「花火といえば夏です。花火は暑い夏の夜空に浮かぶからこそ美しいのであって、こんなに寒くては気分が盛り上がりません。」と文句を言ったことがあります。文句を言われたイギリス人は困った顔をしながら「ヨーロッパの夏に花火は不向きです。なかな日が暮れないではないですか。」と言いました。イギリスでは夏至の頃は夜の9時近くになってようやく日が沈みます。なるほど、暗くなるのを待っていたら子どもたちは寝る時間になってしまいます。納得です。

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Big Ben(ビッグ・ベン:時計塔)とウエストミンスター宮殿
 The Palace of Westminster(ザ・パレス・オブ・ウエストミンスター:ウエストミンスター宮殿)が位置するテムズ川河畔は、中世には戦略上の要衝だったことから、歴代の王はこの地に宮殿を建設しました。1925年に設立された初の議会が王の住居である宮殿で行われたため、以来、テムズ川河畔は政治の中心地となりました。

 11月5日のボンファイアー・ナイトが近づくと、街のいたるところで花火が盛んに打ち上げられます。ボンファイアー・ナイトは、1605年に発覚した Gunpowder Plot(ガンパウダー・プロット:火薬陰謀事件)の実行犯である Guy Fawkes(ガイ・フォークス)にちなんだ行事です。
 子どもたちがガイを模した大きな人形を引廻し、最後には人形を篝火に投げ込んで燃やします。近年では、ガイを燃やすかわりに花火を打ち上げることが多くなりました。そのような理由で、10月の下旬から11月にかけては一般家庭や自治体などがこぞって花火を打ち上げます。

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現在では The Palace of Westminster は House of Parliament と呼ばれるほうが一般的
 1529年までウェストミンスター宮殿は王の住居として機能しましたが、それ以降は議会が行われる House of Parliament(ハウス・オブ・パーラメント:国会議事堂)として使用されています。建物は大火や世界大戦での爆撃によって破壊され、現在の建物は19世紀に再建されました。

 火薬陰謀事件は、1605年11月5日にウエストミンスター宮殿内の国会議事堂で行われる開院式に出席する予定であった国王ジェームズ1世や国会議員たちを狙ったテロ未遂事件です。当時の英国国教会優遇政策のもとで弾圧に苦しんでいたカトリック教徒の過激派、ガイ・フォークスらが宮殿内部に大量の火薬を仕込みましたが、実行直前に露見して計画は失敗に終わりました。
 最初、ガイとその一味は、宮殿近くに家を借り、この借家から国会議事堂の地下室に至るトンネルを掘り進めようと計画しましたが、結局は、宮殿の地下倉庫を借り受け、そこに大量の火薬を仕掛けました。ある国会議員のもとに開院式への出席を取りやめるように警告する匿名の手紙が届けられましたが、ガイ一味は怯むことなく爆破の準備を進めました。
 しかし、11月5日未明に治安判事らが地下室を襲撃し、ガイらは捕らえられ、計画は未遂に終わりました。ガイは最初、黙秘を決め込みましたが、凄まじい拷問の末に全てを自白し、処刑されました。以来、11月5日はガイ・フォークス・ナイト、あるいは、ボンファイアー・ナイトと呼ばれるようになりました。

 宗教的な情熱は、時として暴力的な方向へ突き進んでしまうことがあります。悲しいことですが、それは今も昔も変わりません。

参考文献:Wikipedia

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もうすぐですね、ガイフォークスデー。
いつもは数週間前からみんな花火あげはじめますけど、
今年は全然ないんですよねー。
Lady Masalaさんの住んでるエリアはどうですか?
消防士のストの話とか影響してるんですかね?
こちらは大きな花火をあげるのに日本のように免許がいらないらしく、
裏のうちの小さな庭ででっかい花火をあげてるのでひやひやします。

catswhiskers 様

こんにちは。
やはりそうでしたか。私の住んでいる地域でも今年は、さっぱり花火が上がりません。ハロウィンの週末にはポツポツと音が聞こえてきましたが、それっきりです。例年なら近所のワーキング・クラブが花火大会を主催するのですが、今年は、その貼紙も見ないです。(涙)ここでは篝火を焚くので写真を撮りたかったのですが...。やはりストと関係があるのですかねぇ?いつもは爆弾かと思うような大音量の花火が平日でもあがるのですが。私も花火の大きな音はひやひやするのであまり好きではないのですが、こう、あまりにも少ないとさびしいですね。

チューダーからスチュワートの辺りの歴史は色々とあって面白いですね。

で、ガイ・フォークスデーですが、もちろん秋の風物詩で、花火は無条件で楽しいのですが、ガイ・フォークスの人形を一緒に燃やすのは、なんとも死者に鞭をふるうようで、ちょっと複雑な気持ちがいたします。ロンドン在住のカソリック信者が見ても、あまり気持ちの良い気はしないでしょうし。

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ihatov1001 様

こんにちは。
今年は、なんだか打上げられる花火が少なくて少し淋しいです。本日、5日に消防士さんたちがストをする予定でしたが、なんらかの合意がなされたようでストは中止になりました。ほっとしました。
私は、このような記事を書いておきながらガイ人形が引き回されたり火あぶりにされたりするのを見ていても、お祭り気分というか、楽しいイベントに参加している気分で、あまり深い意味では捉えていませんでした。でも、よくよく考えてみると、カトリック教徒にしてみれば我等が英雄が悪者にされている気分になるでしょうね。私も複雑な気分になってきました。

北アイルランド紛争の原因の1つといわれているらしいですね。宗教、特に原理主義に走る人の考え方、行動は怖いものがあります。

ふうてんの旅人様

こんにちは。民族や宗教の違いによる紛争は世界各地でいまだに行われています。日本はそのような争いのない珍しい国であることを実感しています。私など無宗教の者は、同じ宗教の人たちが、北アイルランド紛争の場合ではキリスト教徒同士が争い血を流しているのを見ると「どうして。」といたたまれない気持ちになります。無宗教がいいというわけではありませんが、私にはどうしても宗教戦争を理解することができません。


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