2017-08

スリの手口

 多くのイギリス人は「ロンドンには安全な地域など存在しない。」と言ってはばかりません。富裕層の多く住む地域にはそれを狙った犯罪が生まれ、貧困層の多い地域には貧困ゆえの犯罪が存在します。私はロンドンに暮らしていて、幸いにも危ない目に遭ったことはありませんが、二回ほどスリに狙われたことがあります。現場は、どちらも中心街からロンドン東部を横断する25番のバスの中でした。
 このベンディーバスはいつも身動きが取れないほどに混みあっています。ベンディーバスとは、車両が縦に二台つながったような長いバスで、ダブルデッカー(二階建バス)よりも法律で定められた乗客の定員数が多いため、乗客が多いルートに用いられています。私は通勤のためにこのバスを利用していました。

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Bendy Bus(ベンディーバス)

ケースその1
 ある冬の日、時間は夕方のラッシュアワーでした。バスは Whitechapel(ホワイトチャペル)付近を走行していました。私は真中の出入口付近に立っていました。(ベンディーバスには出入口が3つあり、停車時にはどの出入口からも乗降が可能です。)私の横には若い黒人の男が立っており、気づけば、その男が私のコートのポケットを探っていました。私は厚手のコートを着ていたために、ポケットに手が入ってきた感触はありませんでした。幸いポケットには何も入れていなかったので、被害はありませんでした。肩に抱えていたバックを慌てて確かめましたが、こちらは荒らされた形跡はありませんでした。私がバックを確かめている際に、私に気づかれたことを見てとった男は、運転手に無理にを言って次の信号で下車しました。私はすぐ降りるからと思い、出入口の傍に立っていましたが、犯人が容易に逃げることのできる運転手の目の届かない側の出入口付近は危ないといわれています。

ケースその2
 こちらも、夕方のラッシュアワーの時間帯で季節は冬でした。私はバスの後方に立っていました。この日も車中はいつものように身動きが取れないほどに混みあっていました。ふと目線を下にやると、私の鞄の中に誰かが手を入れていました。肩から提げた鞄は私お腹の辺りにありました。犯人は私の後方に立っていた黒人の中年男で、麻薬中毒患者らしい虚ろな目をしていました。身動きが取りにくかったこと、犯人の手つきが非常におぼつかなく、まわりの乗客が彼に気づくのは時間の問題だったこと、麻薬中毒患者らしかったので、騒ぎ立てるのはかえって危ないかもしれないと思ったこと、そしてなにより、その日は、貴重品をズボンのポケットに入れていたので、彼が諦めるまで黙って様子を見ていました。彼は麻薬を買うお金ほしさか、不器用に鞄の中を探っていましたが、何もないことがわかると諦めた様子でした。程なく私の降りる停留所についたので、運転手に報告をしてから下車しました。

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ロンドン名物、二階建バス Double-Decker(ダブルデッカー)

 私は住み慣れたロンドンといえども、危険はいつも背中合わせに存在するということを肝に銘じています。それでも、狙われることはあります。貴重品は鞄の内ポケットに入れるか、ジーンズの両サイドのポケットに入れます。後ろのポケットに入れるのは危険ですが、サイドのポケットなら常に身体に密着しているのでスリに狙われる危険性はきわめて低いです。ロンドンだけではなく、世界中のどこにいても油断をしない、隙を見せないことが肝心です。

読んでくださいましてありがとうございました。
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こんにちは!

スリの被害、何故だかヨーロッパに多いような気がします。勿論どの国でも起こっており事ですけど、多分、LAは車での移動が多いので、バスや電車の中でスリに遭うことが無いからでしょうか。

私の上司も、数ヶ月前にフランス、オランダ、イギリスなどへ出張に行ったのですが、10日ほどの間に2度スリにあったそうです。

その地域に慣れてない人間は、格好の餌食なんでしょうね、きっと。

危険回避

今晩は、ロンドンは寒いですか。
犯罪の危険からどのように回避するか。小生も一度ベンディーバスに乗ったことがあります。無賃乗車も多そうですね。確かに都会にいると自然とは違うギラギラした目で周囲を見なければいけない事もありますね。ロサンゼルスでアドバイスされたのは運転手の傍にいなさい、奥に行かないことでした。ロンドンでもやはり女性は狙われやすいのでしょうか。
 依然、バーミングハムの有名な公園で写真を撮っていた時、地元のギャング風の若者達に写真を撮ってくれと頼まれた事がありました。仕方なく撮って上げた時、礼に小袋に入った大麻をプレゼントしてくれ様とした経験があります。友人がポリスだからまずいよと言って丁重に遠慮しました。

B9MOM様

こんにちは。
私も日本に住んでいたころ、テレビでイギリスの軽犯罪を特集していた番組を見たことがあります。その番組では自転車泥棒の手口を紹介していましたが、スリや空巣も多いように思います。イギリスでは銃やナイフを使った凶悪犯罪が少ない代わりにそのような軽犯罪が多いらしいです。しかしながら、ここ最近は若者による銃やナイフを使った犯罪が増えていて気がかりです。また、ヨーロッパでは組織的にスリを働くギャング集団も多いらしいです。B9MOMさんの上司さんはお気の毒でしたね。ヨーロッパにお越しの際は、お気をつけください。

101Ton様

こんにちは。
ロンドンは先週、1週間は雨が降り続きましたが、暖かい日が続いています。
ロンドンでもロスと同じようにバスでは運転手の近くが安全だと言われています。101Tonさんがおっしゃるようにベンディーバスでは無銭乗車をする人も多いので、定期的にインスペクターと警察官が乗車券のチェックをします。つい最近、ロンドン市内で無銭乗車を取り締まっていた警察官が乗客に刺されるという事件がありました。無銭乗車をした上に警官を刺した輩は手配中の男だったそうです。警察官は重傷を負いましたが、幸いにも一命は取り留めたということでした。恐ろしいですね。

こんにちは
今日はよいお話をありがとうございました。
私はロンドンのセントラルに行くことはほとんどなく、
普段は北ロンドンののんびりしたところで暮らしていますので
そういう犯罪を意識することが少ないです。
幸い、今までスリにあったことはありません。
帰国までもうすぐですが、外出時には気を引き締めないと
いけないなと思いました。

先日、ご紹介くださったダッチーオリジナルのスコーンを
今日のおやつに買って食べてみました。
確かにしっとり。おいしかったです。
レジのお姉さんも「これおいしいわよね」って言ってました。

私は込んでいるバスに乗る時はいつもカバンを、見易いよう、胸のあたりに持ってきていました。そのおかげかスリにはあったことがありませんが、レストランやパブで置き引き未遂&車上あらしに遭ったことがあります。

秋葉原の様な変な事件は起こりますが、日本はその点ではかなり安全ですよね。落とした財布がまた戻ってくるのは世界広しといえど、日本だけではないでしょうか。一時帰国して、またヒースロー空港に降りたった途端、緩んだ緊張の糸がキリキリと引きしまってゆくのを当時感じた物です(笑)。

Hiro様

こんにちは。
何気なく通りを歩いているとき、前方を歩いているギャング風の男が路上に止めてある車の中を一台一台チェックしながら歩いているのを見たことがあります。その時は真っ暗で私とその男の間にはかなりの距離があったのでその男は私が後ろを歩いていることに気づいていなかったと思います。スキがあらば車上荒しでもしてやろうと企んでいるように見えました。怖いですね。
ダッチーオリジナルのスコーンを召し上がったのですね。おいしかったようでなによりです。私は今度はプレーンのものを食べてみたいです。前回食べたものにはレーズンが入っていました。

ihatov1001様

こんにちは。
私はスリ未遂事件以来、ベンディーバスが苦手です。日本の満員電車は不快なだけで身の危険は感じませんが、ベンディーバスの中では犯罪に巻き込まれるのではないかとの不安がよぎります。やはりイギリスで暮らしていると知らず知らずのうちに気を張っているのでしょうね。
一時帰国で田舎に帰った時、両親が出かけるときも窓を開けたままにしているのを見てギョッとしてしまいました。自分の部屋の窓はきっちり閉めましたが、「帰ってきたときに熱がこもっているから。」と怒られてしまいました。(苦笑)


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