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2023-09

景観を守るお仕事

 夏休みをとっていたある朝、外が騒々しかったので窓から外を覗いてみると、業者の人たちがフラットの敷地内にある木を剪定していました。私の住んでいるフラットには季節ごとに造園業者がやってきて、花を植えたり、木の手入れをしてくれます。イギリス人はガーデニングを含めて、街の景観を守ることに一生懸命です。

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切落とした枝を葉がついたまま機械に通します。
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粉砕されてトラックの荷台に収まります。

 イギリスでは、たとえ自分の敷地内にある木であっても、一定以上の高さの木は勝手に切倒してはいけないことになっています。切りたい場合には、事前にカウンシル(地方公共団体)の許可を得なければなりません。自然も景観の一部であり、景観は国と国民の財産であるという考え方が根底にあります。
 その財産を管理するのは国です。そのため、カウンシルはガーデナーを雇入れたり、造園業者に委託して、街路樹や公園、公共の土地の緑を管理しています。そこに生息する動植物は国に属するという考え方をするので、花や山菜を摘むことは禁止されています。
 イギリスは景観に関する規制が非常に厳しい国です。自分の所有する家屋であっても、外装を勝手に改装することは許されていません。事前に計画書をカウンシルに提出して許可を得なければなりません。所有地に新しく家屋を建てる場合も同様です。新しく建設される家屋、改装される建物は、高さ、色、使われる素材などが、まわりの景観に溶け込むようにデザインされていなければ、建設許可が下りません。
 そのような徹底した取組みが美しい街並を守っています。私はこの考え方に賛同します。飛行機がヒースロー空港に向けて高度を下げていく時、眼下に広がる、おもちゃのようにかわいらしい街並は、「イギリスに帰ってきた。」という感激をいつも私に与えてくれます。

読んでくださいましてありがとうございました。
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おはようございます!

本当に景観を大事にされてるのですね。
町の中が綺麗で緑ゆたかなのが
理解てきました。

また、更新楽しみにしてます♪

景観に関する規制

景観に関する規制は大切ですね。日本では、役所が開発の邪魔になる歴史ある大木を切ると結論つけると、住人がその木を守る運動をするという、全くイギリスと反対の行為がよく報道されます。イギリスに見習う点は多々ありますね。

私もイギリスの街並みが大好きです。それだけで暮らしていて毎日得した気分。鉄柵の荒れている部分をかりかりかりかりひたすら剥す作業を一日中している方を度々目にし、こんな仕事もあるんだな~と思ったことがあります。文化的な側面ももちろんですが、雇用が創出され、観光客が喜び、経済的にも良い循環になっているんでしょうね。

三十路オンナ様

こんにちは。いつもコメントをありがとうございます。
イギリスでは役所や病院では埒が明かなかったり、たらい回しにされて腹が立つことも多々あります。しかし、都市部でも緑豊かで自然があふれているところは私の好きなところです。

ふうてんの旅人様

こんにちは。
私は日本の役所や企業は仕事が早く、サービス精神もあり、世界的に見ても優れていると思います。しかし、景観に関して言えば、日本は目先の利益を優先させた開発を急いでいるように見えて、とても残念です。

スミレミ*様

こんにちは。コメントを残していただきましてありがとうございます。
私もロンドンに住んでいてよかったと思うことは、街中に緑あふれる公園があることです。休みの日に公園のベンチでボーっとしているとそれだけで得した気分になります。

緑の保存

Lady masala さん、こんにちは

 ロンドン旅行の初期の頃(10年前)、感心した事の一つが町並みの景観の美的感覚です。それは建物の違いは別にしてロンドンの街路が日本の街路と異なることを肌で感じたことでした。

単なる並木の緑が多いという事ではなく何処に植栽すればより効果的か検討されている事です。連続した町並みを創出する工夫でした。
 クレセントの街路のところでは交差する道の角近くに樹木が有り、奥のクレセントには遠目に樹木が見て取れる。単純な感覚ではなく人を惹きつける効果をもたらす植栽の工夫です。それに気がついた時の喜びは今も忘れません。
2012年ロンドンオリンピック会場のハックニーの開発で更に緑濃い都市になるでしょうね。

101Ton様

こんにちは。
> 単なる並木の緑が多いという事ではなく何処に植栽すればより効果的か検討されている事です。
↑あまり意識したことはありませんでしたが、そう言われてみればそうですね。公園にも計画的に木や草花が植えられているのでしょうね。私は暑い夏の日に木陰の涼しいところで休むのが何よりも好きです。こちらに住み始めてから日本では興味がなかった植物に興味を持ち始めました。



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