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2013-09

ベギン会修道院

 フランドル地方には、いくつかのベギン会の修道院が残されています。ベギン会は、中世にはじまった女性のための修道会です。入会の際に誓約が課されない、個人財産の所有が認められる、脱会によって結婚が許されるなど、他の修道会よりも規則が緩やかであったのが特徴です。

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ベギン会修道院 ブルージュ

 修道女たちは院内で寝起きし、共同生活をしながら祈りの日々を送っていました。しかし、神秘的な瞑想を祈りの中に取り込んでいたために、カトリック教会からは常に異端視されていました。

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レンガの白壁が美しい

 現在、この敷地内にはベネディクト会の修道女たちが暮らしています。私たちが教会で休んでいると年老いた修道女が祭壇のそばにあるオルガンの練習を始めました。時々、音を外したりして、あまり上手とは言えませんでしたが、微笑ましく心温まる時間を彼女と共有できたような気がしました。

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マリア様の祠へとつづく

 この修道院内には、外界とは遮断された静謐でゆっくりとした時間が流れていました。神秘的ですが、ほっとする空気がそこにはありました。一日中でもそこにいたいと強く思いました。
 春になると芝生には一面の水仙が咲きはじめるそうです。その光景をぜひとも見てみたいものです。

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乙女チックローズ

 バラが大好きな私は、レトロで乙女チックな大輪のバラをあしらった食器には目がありません。60-70年代には、どこの窯元も同じようなパターンの製品をこぞって製造販売していたのでしょうか。チャリティーショップカーブーツセール、ビンテージショップなどに行くと必ずと言ってよいほど乙女心をそそるバラの花々にお目にかかることができます。

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 よく見かけるせいで欲が出てしまい、もっとかわいらしい柄が出てきたら、コンディションがいまいち、高い!!などとけちをつけながら今までつれて帰ったことはありませんでしたが、ついに、先日のカーブーツセールで乙女チックで甘いバラのミルクジャグとシュガーポットと出会いました。今回、私が購入したセットは Colclough(コルクラフ)の製品で、60年代に発売された Amaretto(アマレット)です。

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 コルクラフは、ストーク・オン・トレントの市長を務めたこともある Herbert Joseph Colclough(ハーバート・ジョセフ・コルクラフ)によって1890年に創業されました。1913年には当時の王であったジョージ5世より王室御用達の称号を与えられました。
 1930年代以前、陶磁器の食器類は、ディナーセット一式などというようにセットで販売されるのが一般的でした。そのようなな方法では当然、値段も高くなり、庶民にとっては高嶺の花でした。そこでコルクラフは、お皿一枚から単品で販売することを最初に考案し、実行しました。現在では当たり前の話ですが、その販売方法によって庶民にも陶磁器の食器が定着、浸透してゆきました。
 新しい販売ルートを開拓し、1930年代には全盛期を迎えたコルクラフですが、1950年代には Ridgeway(リッジウエイ)と合併し、70年代には Royal Doulton(ロイヤルドルトン)グループの傘下に入りました。そして1996年にはついに全ての製品の製造を中止しています。

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Colclough Amaretto pattern number b868

 このシュガーポットは60年代の製品だそうです。小さめのカフェオレボウルに見えなくもないですが、ひじきの煮物など、和食の盛りつけにも合いそうです。
 ミルクジャグとシュガーポットが手に入るとカップ&ソーサーが欲しくなるのが人情というものです。

参考文献:Focus on Colclough

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聖血礼拝堂

 私は教会めぐりが大好きです。前回ブリュッセルを旅行したときにもたくさんの教会を訪れました。しかしながら、どの教会も寒々しく、埃っぽくて重苦しい空気が聖堂内を覆っていました。私はベルギーの教会とは、暗く鬱々とした雰囲気の場所であると理解しましたが、外の灰色でどんよりとした曇り空が教会内部の空気を重たくさせていたのかもしれません。

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 ベルギーの教会は暗くて嫌だなと思っていた私は、今回のブルージュ旅行の際、教会めぐりに関しては大きな期待をしていませんでした。ブルージュで最初に入った教会は聖血礼拝堂でした。

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 聖血礼拝堂には、12世紀にフランドル伯爵ティエリー・ダルダスが、第2回十字軍遠征の際にエルサレムから持ち帰ったとされるキリストが流した聖血が奉られています。

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 ここを訪れた日も生憎の雨模様でしたが、ステンドグラスから差し込む外の光が教会内をやさしく包み込んでいました。柱や壁の色が鮮やかでした。暖色を基調としているせいか、石の冷たさは感じられず、暖かい感じがしました。

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 教会の多くは、重厚な石の壁やシンプルで清潔感のある白壁に四方を囲まれていますが、この教会の鮮やかな壁の色はとても印象的でした。植物的な模様がまるで民族衣装を仕立てるファブリックのようでした。赤を基調としたカラフルな支柱もとてもかわいらしく、この聖血礼拝堂は私のお気に入りの教会になりました。

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キューガーデンでにわか仏教講座

 王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew:ロイヤル ボタニック ガーデン キュー)通称、キューガーデンの Water Lily House(ウォーター リリー ハウス)にて、ひときわ人目をひく大きなお皿を発見しました。私はすぐさま、お釈迦様がこのお皿の上で座禅を組んでいる姿を想像しましたが、何かが違っているように思えて仕方がありませんでした。お釈迦様の台座は葉っぱだったか、お花だったか。

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Water Lily House

 宿題を出された小学生のような気分で調べてみると、お釈迦様が座ってらっしゃるのは蓮の花だということがわかりました。清水に咲く蓮の花は小さく、泥沼に咲く花よりも見劣りがするそうです。泥沼にあってこそ大輪の花を咲かせる蓮の花は、仏教の教えに通じるところがあるのでしょうか。

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Victoria amazonica

 写真のお皿はスイレン科のオオオニバスで、英語では Victoria amazonica(ヴィクトリア アマゾニカ)といいます。ヴィクトリア朝の庭師がこぞって栽培していたというこの睡蓮は、時の女王様のお名前に由来します。ここキューガーデンには1847年にその種子が持ち込まれました。

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 お釈迦様が座って瞑想しているのは蓮の花、英語では Rotus(ロータス)です。Water Lily(ウォーターリリー:睡蓮)とはとてもよく似ていますが、蓮は葉と花とが水面から高く突き出ています。一方、睡蓮はどちらも水に浮いているように見えます。そして、葉には切れ込みがあります。

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水に浮かぶお花は幻想的です。

 キューガーデンに行ったおかげで宗教と植物についてにわか勉強ができました。ちょっぴり賢くなったような気がして嬉しく思う私です。おいおい、そんなことも知らなかったのかというつっこみが聞こえてきそうですが。

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風車を眺めながら

 ダム行きのボート乗り場の近くには風車があります。マルクト広場から出ている4番の路線バスに乗ると船着場に到着しますが、バスではわずか5分ほどの道のりだったので、帰りは風車を見ながら歩いて中心街まで戻りました。

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 運河沿いの遊歩道に沿って4台の風車があります。現在は使われていませんが、中を見学できるものもあるようです。風車もさることながらこの散歩道は見所の多い場所でした。

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 船着場周辺は、近代的なビルやフラットが多かったですが、中心街に近づくにつれてかわいらしい街並みが戻ってきました。美しい建物を眺めながら歩いているとテイクアウェーのケバブ屋さんを発見しました。歴史地区にはなかったので、こんなところにあったのかと喜んでいると、ポーランドのスーパーマーケット、タイレストラン、アラブ系のお店、ごちゃごちゃした雑貨屋さんなど庶民的なお店が多いことに気がつきました。

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ギド・ゲゼル博物館

 その通りにはイーストロンドン的な雰囲気が漂っていて、若者向けのバーやクラブ、ヴィンテージショップもありました。時間が遅かったために店内に入ることはできませんでしたが、どのお店も雑多としていて楽しそうでした。ブルージュのこぢんまりとした下町通りは、切妻屋根のかわいらしい建物と相まって上品にまとまっていました。

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城門

 中世風の歴史的建造物と現代的なニーズが溶け合った一本道。ブルージュの違った側面を垣間見た気がしました。

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Pyrex と Phoennix 比べてみると

 シンデレラシェイプのボウルがとても使いやすいので同じようなものを探していました。今回、カーブーツセールで購入したのは、Phoennix(フェニックス)の Opelware(オパールウエア)のボウルです。
 パプリカが4つ入ってもまだ余裕のある大きさはまさに探していたサイズなのですが、実際に使用してみるとシンデレラシェイプのほうが格段に使い勝手が良いことがわかりました。あの注ぎ口はとっても便利なのです。
 加えてパイレックスのガラスは、フェニックスのものに比べて若干薄いためか、どの製品も軽くて扱いやすいです。私はフェニックスの安っぽい厚みもけっこう好きですが、並べるとパイレックスのほうがスマートに見えます。なるほど、フェニックスがパイレックスに太刀打ちできなかったわけです。
 このボウルは、亡くなった両親の家を整理しているという売主さんから購入しました。彼女も、「パイレックスよ。かわいいでしょう。」と言っていましたが、多くの人はフェニックスの存在を知りません。よくライバルだったパイレックスと一緒くたにされてしまう田舎くさくてぼってりしたフェニックス。なんだかちょっと不憫です。

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Phoennix Opelware
 パターン名は不明ですが、フェニックスの Yellow Rose(イエローローズ)の色違いのようにも見えます。JAJ Pyrex(JAJ パイレックス)の June Rose(ジュン ローズ)にもよく似ているので、それと合わせて使っても違和感がなさそうです。

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ダムへ行く

 ブルージュからボートにゆられること30分、ダムに到着しました。ダムには、市庁舎のあるマルクト(広場)が一つ、聖母教会が一つ、風車が一つ。かわいらしい街並みを眺めながら歩いていくとあっという間に牧草地帯に足を踏み入れてしまうような小さな小さな町です。

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ダムとブルージュを往復するボート

 風車が見えてくるとすぐに船着場に到着です。白いレンガの風車は真っ青な空によく映えます。風車と農家のコテージ、これぞ私がイメージするヨーロッパの田舎です。

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 おもちゃのようにかわいらしい家々を見ながら散策するだけでこんなに楽しい気分になれる場所は、そうはありません。アーティストのギャラリーや雑貨屋さん、古本屋さんを覗いて、疲れたらカフェやベンチに座って道行く人々を眺める。それだけであっという間に時間は過ぎてゆきます。

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 私は田舎育ちで、幼い頃から都会への憧れを強くして育ちました。田舎は嫌だな。退屈だな。早く都会に出たいなと。しかしながら最近は、美しい田園風景が広がる田舎を美しいと思えるようになりました。ダムの街並みにこんなにも心をうたれるのは、私が一介の旅行者にすぎないからでしょうか。実際に、田舎に暮らし始めると、何もない所だ、不便な場所だ、と思うようになってしまうのでしょうか。

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聖母教会 外観

 町の大聖堂、聖母教会は大きくてどっしりとした石造りの教会です。

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 聖堂内は、太陽の光が差し込んで明るく開放的でした。ヨーロッパの教会は、しばしば荘厳で重苦しい気配を漂わせていますが、ここには、祝祭的なカラッとした雰囲気がありました。あちらこちらに配置されたマリア様の像が私に微笑みかけてくれているようです。優しい顔をしたマリア様は、光り輝いて見えました。

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 メーメー。ひつじさん、こんにちは。少し歩けば羊や牛がのんびりと草を食む牧草地に行き当たります。こんなのどかな場所で、田舎だの都会だのと考えるのはなんともばかげたことのように思えてきました。今、ここに広がる風景を楽しめばそれでよいではありませんか。

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