2013-04

ホウロウのソースパン

 ホウロウのソースパンをつれて帰ってきました。初対面での第一印象は、「このお鍋でカスタードクリームを作ったらおいしそう。」でした。クリーム色がカスタードを連想させだであろうことは想像に難くありません。カーブーツセールで、地面に直に置かれていたソースパンは、薄汚れていて、なんとなくうらぶれていました。その様子を見て私は不憫に思いました。
 家に帰ってきてごしごしと洗いました。薄汚れているどころか、スポンジが真っ黒になりました。長年の埃や汚れがこびりついていたのでしょう。洗い上がりは、すっきり、一皮むけたようです。

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 壁に吊るしてディスプレーしたいところですが、家にはフックがありません。泣く泣く他のお鍋と一緒に重ねて棚の中にしまってあります。いつか、このお鍋もディスプレーとして日の目を見る日がくるとよいのですが。
 フタがついていましたが、よく見るとサイズも色も素材も微妙に違っていました。どういういきさつでこのフタとお鍋がペアになったのでしょうか。そのようなことを徒然に考えるのもカーブーツセールの醍醐味です。

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ジュ・ド・バル広場の蚤の市

 タンタンがユニコーン号の模型を手に入れたというジュ・ド・バル広場の蚤の市に行ってきました。この蚤の市は毎日、開かれていますが、週末のほうがストールの数が多いということだったので、日曜日、ユーロスターでブリュッセルに到着したその足でさっそくひやかしに行きました。

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 なるほど、広場は人とストールでごったがえしていました。この蚤の市、アンティークというよりはガラクタに近い品揃えでした。
 よく見ると、ストールはおおよそ三種類にわかれていました。ダンボールになにもかも、ごちゃまぜにして売っているハウスクリアランス系ストールが一つ。この手のストールの商品は、一点につき1ユーロというのが相場でした。ガラクタの山からキラリとひかるお宝を見つけるのは相当な根気が必要ですが、見つけたときの喜びはひとしおです。

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 ダンボールや箱に商品を入れていることには変わりありませんが、一応、缶、本、食器など、分類ごとに分けられているストール。このようなストールでは一点一点、値段が異なりました。
 テーブルや地面のシートにきれいに商品をディスプレーしているストールの商品の値段は、やはりそれなりでした。

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 私が好むのは、いつでもどこでもごちゃまぜダンボールのハウスクリアランス系ストールですが、ここの蚤の市のガラクタ度は相当なもので、ちょっとやそっとではお気に入りにはめぐり会えそうにありませんでした。
 これでもかと、ダンボールの中に首を突っ込んでいるうちに、同じヨーロッパでもお国が違えば、お花模様のテイストが微妙に違っていることに気がつきました。70年代風の Arcopal(アルコパル)の食器がたくさん出ていましたが、ベルギーのお花模様は、淡い色彩の小ぶりで可憐なものが多かったように思います。私は毒々しいくらいにデフォルメされた大きな花柄に、どぎついくらいの原色がほどこされたイギリスの花柄が好きです。

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 この蚤の市は毎日、開かれるので火曜日にもう一度、行ってきました。ストールの数は三分の二ほどになっていましたが、客足が少なかったので、日曜日よりもゆっくりと買い物ができました。私はどちらかというと、売り手も買い手もゆったりムードの平日のほうが好きでした。
 ディーラーさんのほとんどは北アフリカ系でした。アラビア語訛のフランス語とアラビア語が飛び交って、広場全体は活気に満ちていました。このわくわくと興奮に満ちたジュ・ド・バル広場の蚤の市を毎日、楽しむことができるブリュッセルの人たちが羨ましいです。

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ケンジントン宮殿でアフタヌーンティー

 ケンジントン宮殿の敷地内にある Orangery Restaurant(オランジュリーレストラン)でヴィクトリア女王を偲んでアフタヌーンティーを注文しました。

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Orangery Restaurant

 アフタヌーンティーは、ヴィクトリア朝に始まった習慣であるといわれています。この時代には昼食を摂る習慣がなかったため、午後の空腹を紛らせるために上流階級の女性たちがお茶とお菓子を楽しんだのがその始まりでした。夕方は観劇などの社交の時間に当てられ、夕食はその後の遅い時間に摂られていました。

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 私たちは昼食代わりにアフタヌーンティーをいただきましたが、運ばれてきたお皿を見てその小ささに驚愕しました。大食漢の私は、これで空腹を満たせるのかと心配になりました。しかしながら、サンドイッチ、スコーン、ケーキと食べていくうちに(この順番でいただくのが正式なのだそうです。)満腹になりました。サンドイッチにたっぷりと塗られたバターやスコーンにぬったクロテットクリームがお腹にしっかりと収まりました。

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 ケーキの一つは、ヴィクトリアサンドイッチケーキでした。この女王の名前を冠したケーキは、夫であるアルバート公を亡くして喪に服していた女王を慰めるために作られたケーキなのだそうです。スポンジケーキの間にジャムを挟んだだけのシンプルなケーキは、クセがなく万人に愛される味です。
 18世紀のオランジュリー(柑橘類を冬の寒さから守るための建物)を改装したレストランでいただいくアフタヌーンティーは、お味も雰囲気もほどほどに上品で、午後のひと時を優雅に過ごしたい人にはおあつらえむきです。

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オルタ美術館

 ブリュッセルの街並みを語る上で忘れてはならないのは、アールヌーヴォーとアールデコです。注意して歩いてみると、街のいたるところでその特徴的な建築様式を見ることができます。
 アールヌーヴォーは、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した新しい芸術様式です。花、植物などのモチーフ、曲線を駆使するといった従来の様式には囚われない装飾性、また、鉄やガラスなど当時の新素材を利用しているのが特徴です。

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服のデパートとして設計されたサントゥノワ建設のアールヌーヴォー様式の建物
現在は、楽器博物館として使用されている

 ベルギーを代表する建築家ヴィクトール・オルタは、アールヌーヴォーを建築に取り入れた第一人者であると言われています。彼が1889年から1911年まで過ごした私邸は、オルタ美術館として一般に公開されています。
 この邸宅は少し郊外にありますが、中心街から歩いて行けない距離でもなかったので、私たちはブリュッセルの街並みを眺めながら目的地を目指しました。途中で、庶民的な地域を通過しましたが、ブリュッセルもロンドンも住宅地の雰囲気は似たり寄ったりでした。しかし一つだけ異なっていたのは、ブリュッセルの街角では突如としてアールヌーヴォーやアールデコ様式の建物が出現することでした。

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何でもない住宅地に突如出現するアールヌーヴォーやアールデコ建築

 私はアールヌーヴォーとアールデコの区別もつけられないような人間です。オークション番組などを見ていると、「アールデコですねぇ、この美しい曲線が云々かんぬん。」というようなうんちくをよく耳にします。そういった言には「そうか?」と懐疑的に首を傾げてしまう私ですが、この邸宅の美しさは認めないわけにはいきませんでした。

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オルタ美術館外観 室内は残念ながら撮影禁止

 特にダイニングルームはシンプルですが、美しく装飾されていました。天井近くのアーチにあしらわれた花模様のステンドグラスと壁のモザイクとが絶妙なハーモニーを奏でていました。本棚から椅子にいたるまで一つ一つの家具は、さりげない調子で装飾されており、上品な曲線に彩られていました。
 また、らせん階段の植物的曲線を描いた鉄製の手すりをたどりながら階上を見上げると、アーチ型の天井は美しい花模様のステンドグラスで覆われていました。
 アールヌーヴォーなど意識したこともなかった私ですが、その繊細さを目の当たりにすると、美しいと思わずにはいられませんでした。できることならこのようなお屋敷に住んでみたいとため息をつくばかりでした。

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ベルギー漫画センター

 現在はベルギー漫画センターとして使用されている、旧ウォーケーズ百貨店もオルタの建築によるものです。この建物も、階段の手すりや床の装飾などにアールヌーヴォーの特徴が伺えました。
 美に対する高い意識を持ってつくられたものは、何にしても美しいものです。私も高い美意識を持ってすれば、自分の部屋を美しく生まれ変わらせることができるかしらなどと夢想してみるのでした。

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サイダービネガー

11.jpg せっけんシャンプーを使用している私は、コンディショナー用に Cyder Vinegar(サイダービネガー:りんご酢)を購入しました。キャップ一杯のりんご酢を水で薄めて髪の毛になじませてからすすぎます。それだけで髪の毛がフワフワと柔らかくなり、乾いてからは気になっていたべたつきが解消されました。驚くほどの効果です。
 髪の毛のために購入したこのりんご酢ですが、もともとは食用なのでお料理にも使ってみることにしました。りんご酢にお砂糖を入れて飲むと健康に良いという話を聞いていたので、もう少し甘いものだと思い込んでいましたが、米酢に近い味わいで、どんな和風の料理にも合いそうです。だしを加えればお寿司も作ることができそう。(寿司職人さんが聞いたら怒りそうですが。)
 最近、米酢ドレッシングを見つけて喜んで使っていたのですが、これよりもりんご酢のほうが日本のお酢に近いような気がします。
 このりんご酢は、どんなスーパーにも必ずおいてある定番の商品です。探しし求めていたものがこんなに身近にあったなんて。どうして今まで試してみなかったのか不思議に思うくらいです。いろいろな種類のお酢をキャビネットに並べて気分に合わせて使い分けるのもよいですね。小さな小さな贅沢。

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タンタン

 私は、旅行に出かける前にその国家や名所の歴史、逸話などを本やインターネットで予習することにしています。いつも出発の直前になるまで手をつけられず、一夜漬けで勉強をした試験前夜のことを思い出します。しかしながら、今回の予習はいつになくはかどりました。タンタンのコミックを読んだだけなのですから。最近、映画にもなった「なぞのユニコーン号」とその続きの「レッド・ラッカム号の宝」です。別のお話は全てではないですが、以前に読んだことがあったので、すっかりタンタン通になったつもりでベルギーへと旅立ちました。

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 「タンタン」の冒険旅行シリーズは、新聞記者として働き始めたばかりのジョルジュ・レミがエルジェというペンネームで子どもむけの新聞のために連載していた漫画です。1920年代の後半から連載がはじまりましたが、第二次大戦後には、カラー版の絵本として出版されました。
 タンタンは誰にでもなりえるようにと、シンプルに個性を出しすぎないキャラクターとして描かれているそうですが、私には若き日のエルジェ氏にとても似ているように思えます。

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作者のエルジェ氏

 「タンタン」シリーズには、個性豊かな脇役がたくさん登場します。タンタンのよきパートナーであるスノーウィー、喜怒哀楽が激しくいつも激昂しているハドック船長、私は彼らも好きですが、ビーカー教授を愛してやみません。彼は耳が遠いためか、全く人の話を聞いていないのか、何を言ってもまともな返答をしません。耳は遠くないだろうに、何を言っても通じない人が私の周りにもけっこういます。彼らもビーカー教授くらい愛らしければ許してあげられるのですが。

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タンタンショップのディスプレー

 ブリュッセルには、タンタンショップがあります。お店では、東洋系の店員さんが出迎えてくれました。卒業旅行でベルギーを訪れた際にもここに立ち寄りました。その時の店員さんも東洋系のお姉さんで、友人が思わず日本語で話しかけてしまったことを思い出しました。フランス語で返答され、友人も私も非常にショックをうけたことを覚えています。友人曰く、「日本人みたいな外見で、フランス語をしゃべるなんてびっくりするじゃないの。」私も全く同じことを考えていました。

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街中にあふれるコミックストリップ

 ところで、タンタンは英語ではティンティンと発音します。確かにスペルは TINTIN ですが、ティンティンはないだろうに、カンカン(tin は英語で缶の意味です。)じゃあるまいし。ティンティンって変なの!と思うのは私だけでしょうか。 

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ディズニー!?

 カーブーツセールでの出来事です。私が欲しいと思ったものは、ことごとく私の目の前で買い手がつきました。しかも、購入したのは全員、日本人でした。一瞬の差で獲物を逃したことは残念でしたが、かわいらしいものたちが日本人宅にもらわれていくことには悪い気がしませんでした。
 相棒が言うには、フレンチ ヴィンテージのバラ模様のお皿を購入した日本人女性は、私が持っているのとそっくりな靴を履いていたそうです。「趣味が合うんだよ。友だちになれそうじゃないか。」と。
 獲物を逃し続けたこの日の唯一の戦利品は、プーさんのマグカップでした。私はディズニーには反応しないのですが、カップには DISNEY の文字が。これって、ディズニーなの?シェパードのオリジナルにしか見えませんがどうして?と、一人で悩みながらストールの前で長いことこのマグを見つめていました。見ているうちに段々、愛着がわいてきたので連れて帰ってきました。これ、どこをどう見てもオリジナルですよね?

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「プーの慰労会」のお皿と同様に Tams(タムス)の製品です。

 「イーヨーがお誕生日に、お祝いをふたつもらうお話」の場面です。原作では、ここにはプーは登場しないはずですが、なぜか、カップには彼も紛れ込んでいます。
 コブタはイーヨーの誕生日プレゼントの風船を持って家から駆けてきました。あんまり急いだのでスッテんころりん。風船は割れてしまいました。

「ありがとう、コブちゃんや。」と、イーヨーはいいました。
「もし、さしつかえなかったら、話してくれるかな、この風船は、もと-これが風船だったとき、どんな色じゃったか?」
「クマのプーさん」より A.A.ミルン:作 E.H.シェパード:絵 石井桃子:訳

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