2017-09

モンセラーテ宮殿

 シントラ旅行の最終日には、Palácio de Monserrate(パラシオ・デ・ モンセラーテ:モンセラーテ宮殿)を訪れました。ここは、イギリス人の大富豪 Francis Cook(フランシス・クック)が1858年に夏の別荘として造らせた屋敷です。彼は親の代から続く服地商人で、バロネット(準男爵)の称号を持っていました。また、絵画のコレクターとしても知られていたそうです。

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 インド・イスラム様式を取り入れた屋敷は、大変美しいものでしたが、経年による損傷が激しく、建物の内部では修復作業が行われていました。その現場を公開することにより、寄付金を募る目的もあるようでした。

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モンセラーテ宮殿 外観

 20世紀に入ってからクック家が没落し、モンセラーテ宮殿は売りに出されました。しかし、買い手がつかずに放置されていたことが、荒れ放題になっていた原因なのだとか。

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 この屋敷のユニークさを際立たせているインド・イスラム様式のドーム天井の内部を彩る繊細な透かし彫り。見ているだけでため息が出てきそうなほどの美しさです。この天井も修復作業により昔の麗しい姿を蘇らせました。
 他の部屋で行われていた修復作業の現場を見学させていただきました。全て手作業で、一つ一つのディテールに根気強く筆を入れてゆくというような、まさに気が遠くなるような作業の積み重ねでした。

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書斎

 修復作業は、1990年代から始まったそうです。25年以上が経過した現在でも、大部分の部屋が手つかずのままに残されています。作業の細かさを考えると、むしろ当然のことといえそうですが、美しい姿を取り戻した部屋もあります。書斎は2009年に修復を終えました。この洋風の書斎には、古い本の香りがただよい、当時の面影が再び蘇りました。

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 屋敷内部よりも更に美しいのは、広大な庭園です。五大陸から様々な植物が集められたことを考えると、植物園といったほうがよいかもしれません。サボテンが生い茂るメキシカン・ガーデンやイギリス風のバラ園、日本庭園もあります。
 私たちがここを訪れたのは3月末のこと。花の季節には少し早かったですが、高山植物が生い茂る原生林を散策しているかのような清清しい気分を満喫しました。この庭園は、人の手が入っていない野生の森のように無造作に見えますが、その実、人工的に緻密に計算して造られています。それがこの庭園の素晴らしいところです。

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バラの季節にはまだ早く、固い蕾が雨に濡れていました。

 モンセラーテ宮殿に行くためには、シントラ宮殿前の停留所から435番のバスに乗ります。チケットは車内で運転手から買います。2.5ユーロですが、乗り降り自由の1日乗車券になります。このバスは、レガイラ宮殿と Palácio de Seteais(パラシオ・デ・セテアイス:18世紀に建てられた宮殿が、ホテルとして使用されています)前にも止まります。
 シントラは日本人旅行者にはあまり知られていないのか、ガイドブックやインターネットで集められる情報が限られていますが、とても美しい場所です。私の旅行記がこれからシントラを訪れる方のお役に立てば嬉しく思います。

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ポルトガルにある世界遺産の街、シントラ観光。宮殿や遺跡をのんびり回る9つのポイント

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熱々が食べたかったな。

 私たちがシントラ旅行のために利用したのは、バジェットエアラインの easyJet です。ロンドンからリスボンまでのフライトには、朝と夕方の便がありますが、安い夕方のチケットを購入しました。リスボンに到着するのは20時くらいで、その日は夕食を食べてホテルで寝るだけです。

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 リスボンのホテルの近くにはレストランが少なかったので、ホテル内にあるレストランで夕食を摂りました。本日のお勧めメニューにあった、ビール・ストロガノフを選びました。仔牛のストロガノフ、いかにもおいしそうです。運ばれてきたお皿の小ささにびっくりしましたが、お肉がたっぷりで充分お腹がいっぱいになりました。そのお肉の柔らかいことと言ったら、今まで食べたストロガノフの中では一番おいしかったです。

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 翌朝、列車でシントラに移動して2泊しました。1日目の夕食は、「地球の歩き方」や英語版の「ロンリー・プラネット」にも載っているアズレージョが美しいレストラン「Tulhas Bar」(トゥーリェス・バー)でいただきました。
 ポルトで食べたイカが忘れられず、私はイカのローストを、相棒は、ガイドブックでの評価が高かったという、タラのグラタンを注文しました。このレストランには、地元の人がよく訪れるということです。料理の盛りつけは雑でしたが、味はよかったです。ただ、私が食べたイカとつけ合せのお野菜がアツアツでなかったのが気になりました。ぬるいくらいの温度で、もう少し熱いほうがもっとおいしかったと思います。

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 2日目の夜に入ったレストランでは、私はビーフステーキを、相棒はポークとポテトの一皿を注文しました。前菜には、野菜スープをいただきましたが、こちらのレストランでも、お料理の味はよいのに、温度が低くてとても残念でした。シントラでは、火傷するくらいのアツアツのお料理は好まれないのでしょうか。スープのぬるさは尋常ではなく、温め直してもらおうかとも思いましたが、ウェイトレスのお姉さんがとても感じがよかったので、悪いような気がしてそのままいただきました。とてもおいしかったのですけれどもね。

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イギリス料理は本当に美味しくないのか?現地民によるメニューの特徴と味の検証!

ペーナ宮殿

 小ぢんまりと上品なシントラにあってなぜ、と嘆かずにはいられないのは、ペーナ宮殿です。噂には聞いていましたが、間近で見ると、その趣味の悪さに愕然としました。様々な建築様式の寄せ集めは、ちぐはぐで、景観を何よりも大切にするヨーロッパ人の感性からは程遠いものといえるのではないでしょうか。せめて色合いにでも統一感があればよいのですが、赤や黄色、グレーの壁は、まるで安物のペンキで塗りたくられたかのようです。低予算で作られたテーマパークを彷彿とさせます。

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 散々なことを書きましたが、ペーナ宮殿は、シントラ宮殿ムーア人の城壁と併せて「シントラの文化的風景」の一部として世界遺産に登録されています。

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 現在、宮殿が建てられている場所には、古い修道院がありました。1755年のリスボン地震で崩壊しましたが、礼拝堂だけは無傷で残りました。女王マリア2世の夫であったフェルナンド2世は、この地に魅せられ、また、礼拝堂の姿に深く心をうたれ、修道院を再建することを誓ったのでした。そして、1836年には、修道院を中心にすえた王家の夏の離宮の完成をみました。

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 ペーナ宮殿はよく、バイエルン王ルートヴィヒ2世が建設したノイシュヴァンシュタイン城と比較されますが、ペーナ宮殿のほうが30年ほど先に完成しています。フェルナンドの従兄弟にあたるルートヴィヒは、この宮殿から何かしらの影響を受けたのかもしれません。19世紀には、異国情緒あふれる外国風の建築が流行したそうで、彼らが手がけた二つの宮殿には、その影響が色濃く反映されているのではないでしょうか。

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晩餐の間

 外見の醜悪さとは裏腹に、室内には落ちついた美しさがあります。室内装飾には現代風の趣があり、きらびやかすぎず、抑えられた色づかいが全体に落着いた雰囲気を醸し出しています。
 壁一面が美しいアズレージョで覆われている晩餐の間。重厚な木目のダイニングテーブルとタイルの組み合わせは悪くありません。

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 宮殿や大きなお屋敷にあるキッチンは、召使たちが立ち働く場所ということで、通常、階下の日の当たらない場所にあります。しかしながら、ペーナ宮殿のキッチンには大きな窓があり、明るい日差しが降り注ぎます。奇抜な外観よりも、明るく清潔なキッチンに感銘を受ける私は、やはり前世でも王侯貴族であったはずもなく、やはり庶民であったのだろうと確信するばかりです。

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ケイジャータ&パスティス・デ・ナタ

 私たちがシントラで宿泊したシントラ・ブティック・ホテルは、スタッフの感じもよく、朝食のビュッフェメニューも充実していました。特に甘い菓子パン類がたくさんあり、シントラ名物ケイジャータもありました。

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シントラ名物ケイジャータ

 ケイジャータは、ポルトガル全土で食べられているお菓子ですが、特にシントラのものが有名です。ケイジョは、ポルトガル語でチーズの意味だそうで、ケイジャータは塩抜きしたチーズを使って作られます。ほんのりと甘辛いところに、微かにチーズの風味が感じられます。もともとは修道院で作られていたお菓子だそうです。お菓子と言うには、少し塩辛いような気がするので、私はパスティス・デ・ナタ(エッグタルト)のほうが好きです。

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パスティス・デ・ナタ

 シーフードをさしおいて何たることかと言われそうですが、私はポルトガルの食べ物の中では、パスティス・デ・ナタが一番好きかもしれません。ビュッフェにもあったので朝からたくさんいただきました。マカオがポルトガル領であった関係で、ロンドンのチャイナタウンでも、おいしいパスティス・デ・ナタを手に入れることができます。恋しくなったら、いつでも食べられるのは、心強いです。

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イギリスのティータイムに憧れ♡紅茶に合う人気のお菓子まとめ

ムーア人の城跡

 シントラ観光の三大巨頭といえば、シントラ宮殿ペーナ宮殿、そして、ムーア人の城跡です。ムーア人は、北西アフリカのイスラム教徒のことで、レコンキスタ以前は、彼らがイベリア半島を統治していました。

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 9世紀頃にムーア人が築いたという城壁と、遺跡のいくつかを見学することができますが、シントラ宮殿とレガイラ宮殿を別とすれば、シントラの主な観光名所は辺鄙な場所にあります。一つ一つの場所が離れているため、歩いて移動するには無理があります。

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 市内観光に便利な434番のバスは、シントラ駅前から発着します。シントラ宮殿、ムーア人の城跡、ペーナ宮殿の順にめぐります。駅からシントラ宮殿までは徒歩で10分ほどです。街並みを眺めながら歩くにはちょうどよい道のりなので、宮殿までは、あえてバスに乗らないで散策するのもよいでしょう。
 チケットは車内で購入します。5ユーロですが、同じ番号のバスへは乗り降り自由の1日乗車券になります。リスボンから日帰りの場合は、リスボンへの往復チケットと、シントラの主な観光名所、さらには、ロカ岬やカスカイス行きのバスにも乗車できる、1日乗車券がお得です。リスボンのロシオ駅で購入できるそうです。

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 シントラ宮殿、ムーア人の城跡、ペーナ宮殿の共通チケットがあります。別々に購入するよりもお得で、並ぶ手間も省けます。私たちはシントラ宮殿で購入しました。ただ、売り場には共通チケットに関する表示がありませんでした。ほしい場合は、スタッフに尋ねるとよいと思います。

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 私たちがこの場所を訪れた日は、大変な強風で、一日中ビュービューという風の音が鳴りやむことはありませんでした。ただでさえも高所恐怖症の私。途中で歩みを止めて、岩につかまらなければ、まっ逆さまに吹き飛ばされそうになることが何度もあり、ひどく恐ろしい思いをしました。入場料まで支払ってこんなに怖い思いをするなんて、一体、自分は何をしているのだろうと、情けなくなりながら頂上を目指しました。

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 城壁に沿って歩くには、細くて急な階段を登って行かなくてはなりません。あまりの強風と恐怖におののいた私は、不本意ながら、脇道を通ることにしました。ここなら坂道を歩きながら、時々見える城壁に登るだけで頂上にたどり着くことができます。ただし、登り切った時の充足感は半減します。

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 高台からは、シントラの街並みを一望することができます。大変に趣味の悪いペーナ宮殿もくっきりと見えます。次なる目的地はこの宮殿です。

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のど飴誕生感動秘話

 今回のポルトガル旅行の目的の一つは、聖人のど飴を全種類、制覇することでした。前回、ポルトに行ったときには、パッケージに描かれているお方が、フランシスコ・ザビエル様だとは知らずに、自分用には一袋しか購入しませんでした。
 残念なことに、シントラでもリスボンでも、ザビエル様には一度もお目にかかることはできませんでした。その代わり、ポルトガルではどこにでも売っている Dr. Bayard(ドクトル・バヤード)を購入しました。レトロなパッケージが個性的で、缶入りのものもあります。
 スースーするミント系の味を想像していましたが、食べてびっくり、とても甘いのです。ほんのりハーブ風味のはちみつ味です。リコリスの味に少しばかりクセはありますが、気になるほど強烈ではありません。

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Dr. Bayard

 ホームページには、Dr. Bayard 誕生秘話が載っています。素敵なお話しなので、ここでご紹介したいと思います。
 1939年、Álvaro Matias は故郷を離れ、リスボンの食料品店で働いていました。第二次世界大戦勃発当初、リスボンには、裕福なヨーロッパ人たちが大勢、疎開してきました。そのために、食糧不足が懸念されつつありました。
 ある日、フランス人紳士がアルバロの店を訪れました。フランス語をあまり上手に話すことのできないアルバロでしたが、なんとか注文を受け、紳士は満足顔で買い物を終えました。その日以来、彼はアルバロの店の常連客となりました。
 フランス人紳士、ドクトル・バヤードは、アルバロにフランス語を教えるようになり、二人は友情を深めてゆきました。しかし、リスボン滞在中にバヤード氏の財政状態は悪化し、アルバロは彼のために、食糧を都合してやらなければなりませんでした。
 やがて戦争が終わり、バヤード氏は家族とともにフランスへ戻ることとなりました。自分たちを助けてくれたポルトガル人の友人に深く感謝し、彼がその時、持っていた唯一の、そして、とても価値のあるものをアルバロへ贈りました。
 その贈り物とは、バヤード氏が開発したのど飴の製法でした。アルバロは、家族とともに小さな工場を買い受け、のど飴を作り始めました。今日90歳を迎えアルバロは、工場の経営を息子と孫に託しましたが、現在でも1949年以来、変わらぬ製法で、のど飴を作り続けています。

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レガイラ宮殿

 レガイラ宮殿は、シントラ宮殿より徒歩で15分ほどの場所にあります。私が持参した10年前のガイドブックには、詳しい説明は載っていませんが、シントラ宮殿やペーナ宮殿とともに「シントラの文化的景観」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録されています。

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レガレイラ宮殿 外観

 大富豪であったアントニオ・モンテイロが、レガイラ男爵から買い受けたこの宮殿は、もともとは、王族の別荘として12世紀に建てられました。ゴシック風、ルネサンス風、マヌエル風など、様々な建築様式が混在します。モンティロ氏の要請で、イタリアの建築家ルイジ・マニーニが、改築に着手したのは、20世紀初頭のことでした。

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 庭園には、今までに訪れたどの場所とも違う、一種独特の雰囲気が漂っていました。この地域のものなのか、装飾として使われている石には、ところどころに窪みがあります。それが、まるで、しゃれこうべのように見えます。石は、いたるところにあり、何度もぎくりとさせられました。

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 モンテイロ氏は、フリーメイソンや錬金術に傾倒した、異端の人だったそうです。宮殿内には、キリスト教のモチーフにカモフラージュされた、フリーメイソンの意匠がいたるところに見られるのだとか。
 ガイドツアーでは、そのシンボルなどの見所を詳しく解説してくれるそうです。ツアーのことは、宮殿を訪れた後にホテルのスタッフから聞きました。行く前に知っておきたかったです。

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 天国と地獄を現しているという塔。冒険小説の世界に出てきそうです。

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 階段を登れば、洞窟を歩けば、道は必ずどこかへつながっています。まるで、おとぎの国に迷い込んでしまったかのようです。あっちへ行くとどこに出るのか。こっちに行けば何があるのか。宝探しのように探索しながら、何時間でも過ごせてしまう素敵な場所です。

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 洞窟を通って、暗い地下道に下りてゆきます。地下道は井戸につながっています。持参したペンライトを照らしながら、真っ暗な道を歩きましたが、反対方向から明かりが見えるとドキッとしました。向こうから来た人たちも同じ思いをしたに違いありません。

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 イニシエーションの井戸とよばれる深さ30メートルほどの井戸へは、らせん階段でも下りることができます。らせん階段は、9段階になっており、地獄の9圏をくぐるという、ダンテの「神曲」を象徴しているそうです。
 私たちは真っ暗な井戸の底から、らせん階段を登って外に出ました。明るい地上に出たときは、ほっとしました。地上から闇に向かって下りていくときには、また違った感覚を味わうことでしょう。

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 シントラ観光といえば、シントラ宮殿、ムーア人の城跡、ペーナ宮殿の3か所だけが有名で、レガイラ宮殿は、一般にあまり知られていません。英語版ロンリープラネットにも、日本のガイドブック同様、大きく取上げられていないためかもしれません。
 しかしながら、レガイラ宮殿は、今回の旅行で訪れた中で最も興味深い場所でした。フリーメイソンや、その原型となったとも言われている、テンプル騎士団のことをきちんと勉強してから訪れると、感動が更に深まりそうです。

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