2017-11

スピリチュアルとは言いたくないけれど

 精神世界や潜在意識、見えざる力のような、説明のつかない不可思議な力のことを、最近は「スピリチュアル」という言葉で一括りに表現するようです。でも、私はその言い回しが好きではありません。
 そのような現象を信じていないわけではないですが、言葉で説明するのが難しい精神世界のことを、なんでもかんでも「スピリチュアル」と言ってしてしまう風潮に疑問を感じてしまうのです。
 セゴビアの「サン・アントニオ・エル・レアル修道院」の宝物殿を訪れたときには、そこらじゅうに霊的な気配を感じました。
神聖で、ピンとはりつめていて、それでいて、守られているような、安らぎを覚えるような。巷ではそれを「スピリチュアル」体験と言うのでしょうが、ここでは「魂の存在を感じた」とでも表現しておきましょう。

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セゴビア名物子豚の丸焼き

 セゴビア名物と言えば、子豚の丸焼き。アソゲホ広場のローマ水道橋くにある Mesón de Cándido が有名ですが、比較的どこのレストランでも食べることができます。私たちは La Tasquina へ行きましたが、ここでおもしろい経験をすることになります。

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街のいたるところにこのような看板が

 このお店はタパスですが、奥にレストランがあります。テーブルに着いた私たちにメニューを投げてよこすウェイターの Javier(仮名)君。外の看板に英語メニューがあると書いてありましたが、投げられたのはスペイン語。英語のものに代えてくれるようにお願いすると、まさかの舌打ち。唖然としながらも、最近増えている我が国の隣国からきた旅行者に嫌な目にあわされたのかもしれないと好意的に解釈してあげることにしました。

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デリカテッセンでも売られている Judiones(花豆)

 テーブルに料理を運ぶときはドスン、棚に食器やカトラリーを戻すときはガチャンガチャン、キッチンからはガラガラガッシャーン、これは割れただろうという音まで聞こえてきました。彼の態度が注目に値することがわかってからは、料理そっちのけで彼を観察しはじめた私たち。見ていると、特に私たちのことを目の敵にしているわけではなく、すべての客に対して最悪の接客をしていることがわかりました。

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Judiones のスープ

 あまりにおかしくて、そのうち腹も立たなくなりました。このレストランでは、料理とともにエンターテイメントを提供するためにコメディアンを雇っているのではないかと思えるくらいのベタでクラシックなコメディーが演じられているではありませんか。
 まるでイギリスのコメディー番組「Fawlty Towers(フォルティ・タワーズ)」をライブで見ているようなおもしろさ。イギリスを代表するコメディーグループ、モンティ・パイソンのメンバーであったジョン・クリーズが脚本を手掛け、自ら主役のハジルを演じたフォルティ・タワーズ。バジルは毒舌でスノッブなホテルのオーナーで、客に対してとても失礼な態度をとります。クリーズ氏が実際に宿泊したホテルのマネージャーをモデルにしてつくられたコメディーですが、Javier(仮名)君のような人間には、腹を立てるよりも笑いでかわすほうが賢いのでしょう。

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目と耳がついてる!!

 肝心なお料理です。こちらもセゴビア名物である Judiones(花豆)を使った前菜のスープはとてもおいしかったです。ヴォリュームがあって、このスープとパンだけでお腹がいっぱいになってしまいそうでした。ただ、肝心の子豚の丸焼きはイマイチ。肉がパサパサで味がなく、つくってあったものを温めて出してきたような感じでした。肉を焼いただけのシンプルな料理は、店によって味にばらつきがありそう。Javier(仮名)君のコメディーショーは楽しかったですが、 Mesón de Cándido でおいしい丸焼きを食べたほうがよかったかもしれません。

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セゴビア大聖堂

 マーケットが開かれるセゴビアのマヨール広場。野菜や果物、オリーブやお菓子などの食料品、庶民的な衣類などの品物が扱われていることから、買い物客のほとんどは地元の人々。この広場は、現在のスペインを築いたといわれているイザベラ1世の戴冠式が行われたサン・ミゲル教会(Iglesia de San Miguel)がある場所でもあります。

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 そのマヨール広場にあってひときわ人目をひく建物は、セゴビア大聖堂(カテドラル)。スカートの裾を広げたようなその外観から「大聖堂の貴婦人」ともよばれています。

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 この大聖堂が完成したのは18世紀と新しく、スペイン最後のゴシック教会となりました。アルカサルの近くにあったという元のカテドラルは16世紀初頭に起こったコムネロスの反乱により大部分を破壊されてしまいます。およそ250年もかけて再建されたのがマヨール広場のカテドラルなのです。

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中心にある祭壇

 少々乱暴な言い方をすれば、スペイン、ポルトガル、イタリア、フランスなど、カトリックの国の大聖堂はどれも同じような構造をしていまが、ここセゴビアのカテドラルには、主祭壇よりも個々の礼拝堂の美しさが際立っているという特徴があります。

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礼拝堂

 大聖堂や教会では、中心にある主祭壇を取り囲むように、聖人やゆかりの人物の礼拝堂が配置されています。どの大聖堂でも、主祭壇がいちばん大きく美しいと相場が決まっていますが、ここセゴビア大聖堂は違っています。主祭壇が小さくかすんで見えるほど、周りにある礼拝堂が立派できらびやか。

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 私は、フレミッシュ風の天井がかわいらしい礼拝堂が気に入りました。ピンクを基調とした花柄のような植物的モチーフがとても素敵です。Hispanish-Fremish Art(ヒスパニッシュ・フレミッシュ・アート)が用いられた建築は、スカートの裾を広げたような貴婦人然とした外観と似つかわしい女性らしさを醸し出しています。たくさんの礼拝堂のなかから自分のお気に入りを探しながら歩くいたので、楽しく見学できました。

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マドリッド空港からレンフェでセゴビアへ

 マドリッドからセゴビアへのアクセス方法はふたつ。高速バスと列車です。安いこと、セゴビア旧市街の中心部にターミナルがあることで、高速バスの人気が高いようです。しかしながら、私たちはマドリッド・バラス空港から市街に立ち寄らずに直接セゴビアに移動したため、Renfe(レンフェ)の高速列車を利用しました。

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 レンフェの駅は空港第4ターミナル(T4)に直結しています。私たちはT1に降りたので、無料のシャトルバスを利用してT4へ移動。T1からT3は隣接していますが、T4はかなり離れた場所にあります。
 T4にあるレンフェのインフォメーションでチケットを入手。それには空港からセゴビア行きの列車が発着するマドリッド・チャルマティン駅までの料金も含まれています。チケットは往復で買った方が割安。空港内にあるインフォメーションでは英語も通じました。

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 Estación de ferrocarril de Madrid-Chamartín(マドリード・チャマルティン)駅に到着後、一旦改札を出て、セゴビア行きの列車が発車するのプラットフォームへ向かいます。手荷物検査を受けてから乗車。全席指定で、30分ほどで Segovia-Guiomar(セゴビア・ギオマール)駅に到着します。
 ギオマール駅からは、路線バスで旧市街へ向かいます。駅前にあるバス停から11番のバスで20分ほど。運転手に水道橋前で降りることを告げ、運賃2ユーロ(2017年現在)を支払って乗車します。おつりももらえます。

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 列車は快適で乗車時間が短いですが、その後、路線バスに乗らなければならないのが難点。30分ほど余計に時間がかかりますが、マドリッド市内からセゴビアを訪れる場合は、長距離バスのほうが便利かもしれません。

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スペイン「トレド」中世で歩みを止めた異国情緒漂う世界遺産の街

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セゴビアのアルカサル

 スペイン語で城や宮殿を意味するアルカサル。ここセゴビアにある Alcázar de Segovia は、世界で最初につくられた長編アニメーション映画、ディズニー「白雪姫」に登場する城のモデルとなりました。高さ100メートルほどの断崖の上に建てられたアルカサルには、難攻不落の趣があります。

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 イスラム教徒が基礎を築いた要塞をもとに、12世紀にカスティリャ王国アルフォンソ6世によって改築されたというセゴビアのアルカサル。見る角度によってその印象が異なります。

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 城内では、異なる時代のさまざまな展示品を見ることができます。美しく壮麗な部屋が多く、歴代の王の彫像をあしらった天井が見事な「諸王の広間」のきらびやかさには圧倒されますが、「暖炉の間」のように落ち着いた雰囲気の部屋もあります。タイルと木目の重厚な家具のコーディネートが素敵です。

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 ガレー船をひっくり返したような天井の形から名づけられた「ガレー船の広間」。見どころは、天井だけではありません。壁に描かれたマヨール広場で行われたというイザベラ1世の戴冠式の模様にも注目。アラゴン王子フェルナンドと結婚して「カトリック両王」の称号を授けられ、現在のスペインを築いたイザベラ1世。彼女の治世にコロンブスが新大陸を発見し、後にアメリカ大陸のほとんどを植民地とする黄金時代を迎えることとなります。

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 ムデハル様式の内装に相応しい幾何学模様の中庭を見渡すことができます。花壇のある華やかな庭もかわいらしいですが、イスラム風のグリーンだけを使った庭にもシャープな美しさがあります。

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 崖の上にそびえるアルカサル、その最も高い場所であるフアン2世の塔から見渡すセゴビア旧市街の美しさは格別。ただ、高所恐怖症の人にはお勧めできません。その症状が年々悪化しつつある私は、せっかく来たのだから、もう来ることはないかもしれないと、つい苦手なことも忘れて入場料まで払って上ってしまいます。上るときよりも下りるときが恐怖。

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 アルカサルは、1561年に国王フェリペ2世が王宮をマドリードに移した後、城砦や牢獄として使用されるようになりました。1762年には王立砲兵学校設立。1898年には軍事博物館が設けられます。時代によってさまざまな目的で使用されていたアルカサル。時の権力者の思惑と、その歴史を感じられる場所です。

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見どころいっぱいのセゴビア

マドリッドから高速列車でわずか30分、バスでも1時間余りという便利な立地にあるセゴビア。
日帰り旅行に人気の場所ですが、見どころは満載。
できれば宿泊して、ゆっくりと街めぐりをしたい美しい都市です。

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スペイン世界遺産「セゴビア旧市街」絶対に外せない三大名所

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ローマ水道橋

 夏のホリデーには、スペインの Segovia(セゴビア)に行きました。マドリッドから高速列車でわずか30分、バスでも1時間半くらいで行けるため、日帰りで訪れる人が多い場所ですが、私たちはここに宿泊しました。セゴビアで絶対に外せない名所のひとつで、恐らくいちばん有名なのは、アソゲホ広場にある Acueducto Romano(ローマ水道橋)。

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 2000年以上も前に古代ローマ人によって建てられたという水道橋は、全長813メートル、最も高いところで28.5メートル。市街地に水を供給するために18キロも離れたフリオ川から水を引く役割を担っていたという水道橋は、19世紀の終わりまでは実際に使用されていました。

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 花崗岩を積み上げてつくられたという水道橋。驚くべきことに、釘やセメントなどの石と石とを接合する道具は一切使用されていません。128か所もあるアーチ部分も然り。石を上手に組み合わせることによってのみバランスを保っているのです。

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 よく見ると石のところどころに窪みがありますが、これは建設時に石を高所に吊り上げるためにつけられたのだそう。

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 813メートルもの高さがあるにも関わらず、横幅はわずか2.4メートル。石造りの橋はずんぐりとしているものが多いなか、長身でスリムなセゴビアの水道橋。2000年も前にローマ人はどのようにしてこの橋を建てたのでしょうか。まさに神業と言ってよいほどの高度な技術に、人々は悪魔の介在を疑ったといいます。この水道橋には悪魔伝説があります。

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 セゴビアにひとりの若い娘が住んでいました。娘は毎日のように遠くの川まで水を汲みに行かなければなりませんでした。疲れきった娘は、ある時「夜が明けるまでに、この町まで水を引いてください。願いをか叶えてくださるのなら、私の魂を差し上げましょう」と、つぶやいたといいます。それを聞きつけた悪魔は、夜のうちに水道橋を完成させようとしますが、最後の石を積み上げるところで一番鶏が鳴きはじめました。正気を取り戻した娘は自らの行いを恥じ、教会で深く懺悔しました。娘は赦され、水道橋の中央にはマリア像と十字架が飾られるようになったということです。

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 悪魔がつくったに違いないと思わせるほどに精巧で美しいローマ水道橋。その堂々たる姿は見る者を圧倒します。

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移民の街ロンドンへようこそ。
各国文化を織り交ぜつつ、
Lady Masala が厳選したイギリスらしいものをご紹介します。
欧州旅行記と自分の足で集めたヴィンテージ、アンティーク コレクションのお披露目も。
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