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2023-06

ガウディの足跡を訪ねて

2008年8月13日-16日
 バルセロナを旅行することは、ガウディの足跡をたどることでもあります。限られた時間の中で、彼の作品を駆け足で巡っていると、自分が御伽の国の住人にでもなったかのような錯覚に陥ります。好むと好まざるとに関わらずガウディの残した作品はバロセロナの街を他のどの都市とも異なった特徴的なものにしています。今回は、ガウディ建築のウンチクにおつきあいください。
 アントニ・ガウディは、1852年カタルーニャ州の銅細工職人の家に生まれました。彼はバルセロナで建築事務所で働く傍ら建築学校に学び、1878年には建築士の資格を取りました。同年、彼はパリ万博に出展するためのショーケースをデザインし、その作品が繊維会社を経営するグエル伯の目に留まりました。グエルは、その後40年にわたってパトロンとしてガウディを支援し続けました。
 ガウディは後半生を熱心なカトリック教徒としてすごし、サグラダ・ファミリアの建設に全精力を注ぎました。しかし、親族やグエルの相次ぐ死と財政の圧迫が彼の晩年を惨めなものにしました。1926年6月7日、ガウディはミサに向かう途中、路面電車にはねられました。質素な身なりをしてい彼は浮浪者と間違えられ、満足な手当てが受けられないまま、事故の3日後に73歳で亡くなりました。遺体はサグラダ・ファミリアに埋葬されました。

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カサ・ミラ
 カサ・ミラは、実業家の邸宅として1907年に完成しました。この建物は曲線だけで作られており、外観の波打つ曲線は地中海をイメージしています。内部は博物館になっており、ガウディ建築に関する資料が展示されています。外観とは裏腹に室内はいたって普通の住宅で、お部屋も公開されています。アンティークの家具や調度品は必見です。

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グエル公園
 グエル公園は、1900年から1914年の間に建造された分譲住宅です。自然と調和した芸術性の高い都市を建設するという、ガウディとグエルの夢を実現させるべく造られました。しかしながら、当時の人々には理解されず、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家を連想させる住宅を購入したのは、ガウディ本人とグエルの2人だけでした。グエルが亡くなった後は市に寄贈され、現在は公園として一般に開放されています。

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グエル公園内のオープンスペース 木々の緑と乾いた砂色のコントラストが素敵です。

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サグラダ・ファミリア聖堂
 サグラダ・ファミリアは、サン・ホセ教会の本堂として1882年に建設が開始されました。初代の建築家が辞任した後、ガウディが責任者に任命されました。熱心なカトリック教徒であった彼は、サグラダ・ファミリアの建設に非常な情熱を傾けました。ガウディは仔細な設計図を残しておらず、その上、スペイン内戦時に弟子たちが残した資料の大部分も焼失してしまいました。
 しかしながら、職人たちの口承や、数少ないデッサンを頼りに彼の死後も工事が続いています。完成の目処は未だにたっていません。観光地の歴史的建造物は、修復のために閉館ということがよくありますが、サグラダ・ファミリアは、工事をしている現場も含めて見学を許可しています。教会内には大量の建築資材が置かれ、現場作業員たちが優雅に働いているところなども興味深い光景でした。日本の建設会社が業務を引受けたなら工期はぐっと縮まるに違いありません。

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カサ・バトリョ
 カサ・バトリョは、ガウディが1904年から2年間かけて改築を行なった邸宅です。彼は各部屋に曲線的なデザインを持ち込み、タイルやステンドグラスの装飾を施しました。内部は青を基調とした色使いで海を思わせる造りになっています。壁には鱗のような模様が描かれており、歩きながら自分が魚にでもなったかのような錯覚に陥りました。
 ガウディは常に自然の中に構造の美しさを見出しました。構造的に安定している美しい形は自然の中に存在し、自然界には直線は存在しないというのが彼の哲学でした。彼の曲線へのこだわりは、そのような彼の哲学から生まれました。

参考文献:Wikipedia・地球の歩き方スペイン

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うーん、今見てもかなり前衛的だと思うのですが、当時の人びとにはもっとエキセントリックにうつったのではないでしょうか。友人も沢山住んでいますし、そのうちに訪れてみたいことろのひつつです。ご飯もおいしそうですし(笑)。

ihatov1001様

こんにちは。
ガウディーの建物は本当にエキセントリックですよね。私は見るのは好きですが、実際に自分が住んでみたいとは思わないですね。さすがに。バルセロナにはガウディー以外にも素晴らしい建物がたくさんありました。(次回、違う建築家のことを紹介する記事を書きます。)食べものもおいしかったですよ。スペインは食べものがおいしいです。食べ物がおいしいところはやはりいいですね。(笑)


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